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バタートーストと軽いチキン

東京といえば、何を思い浮かべるでしょうか。魔界都市新宿、最先端っぽい渋谷、高級な銀座。そびえ立つ六本木ヒルズ。疎らに灯りの点いた宵闇のビル群に、赤い航空障害灯が幾つも浮かんでいるんですよね。分かります。
東京の東半分は下町です。寂れたアーケードでおでんとかコロッケを売っている、路地裏に野良猫の転がった世界が50パーセントなのです(超ざっくり表現)。スカイツリーは近未来都市などではなく、昭和の建築が残るありふれた下町に建っているのです。

そう書いておきながら、浅草は下町とはちょっと違います。そうなんですけど、後から造り固めたイメージに統一されている。

現在の浅草は江戸のテーマパークといった印象です。江戸なしぐさが浸透していそうな「江戸っぽい」江戸です。土産物が並び、雷門の前では人力車がこぞって手招きしている。

行ってみたくなる店がいっぱいあるんです。すき焼き、牛鍋、蕎麦、釜飯、あんみつ。沢山あるんで、どこに入ればいいか分かんないですよね。
本日は『銀座ブラジル』に入ってみました。雷門から広がるアーケードの中央寄り、船和の芋ようかんの向かいにある二階の喫茶店です。

名物はキャベツとカツが二重に入ったカツサンド、そしてチキンバスケットです。昔、『銀座キャンドル』というお店が銀座にあって、文豪もそこのチキンバスケットを食べていたらしく行ってみたかったのですが、いつの間にか閉店してしまいまして(検索したら麻布十番に復活したと書かれていますね)。とにかくチキンバスケットが食べてみたかったんです。こちらにもあると知りまして、写真で見た揚がり具合も良さそうだったので行ってみました。でも、実際頼んだのはランチセットのBでした。

Bランチは飲み物にトーストと、チキンフライが3つ付くお皿のセットです。バターが溶けて透明になったトーストは固めの焼き上がり。頭が丸く膨らんでいるのでイギリスパン? 分かりませんが、キノコみたいな形です。
チキンフライは・・・・・・これは本当に美味そうですね。なんかこうザックリとした衣で、明るい色に揚がってます。チキンにかけるレモンは四分の一カットでかなり大きめ。いっぱいかけて食べろということでしょう。囓ってみたら、柔らかな胸肉で脂身一切なし。一切れが結構大きいんですけど、軽い口当たりでどんどん食べられる。レモンかける、囓る、トーストも囓る、コーヒーを流し込む、無限にいけます。疲れてきたら薄く輪切りになったにんじんのピクルスを食べると酸味で復活できます。また食べられる、これは美味い。相当経ってから思い出しながら書いているんですが、今すぐ行ってもいい位カリカリジューシーで美味かったです。

コーヒーは渋みの少ない感じで癖が無いです。喫茶店のコーヒーという感じがします。個人的に好んでいる炭みたいなやつは別の所で飲みましょう。眼下のアーケードを動く人々を眺めながら、お洒落ではないですけどクラシックなお店で美味いものを食べたので、ご馳走様でした。

前回、前々回と3000字前後埋めてみましたが、思いつきで並べるには結構な量なのでこの位かもっと少なく更新してゆきたいと思います(志が低い)。ただし、美味いものにぶつかり次第ですが。

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