LIVE備忘録 vol.6 【会いに行け!】
『Another Journey vol.1』 at 下北沢Shangri-La
2022年3月5日土曜日。
相も変わらずバイトに溺れて過ごしている春休みの最中のカツヲは、この日も14時までバイトをし、‘未確認’な彼らを目指して親友のKと集合した。
意外と初めて降り立った下北沢は、大学生とフリーターと無職しかいなさそうな独特の空気感だった。
人混みが嫌いなKと、大学生のノリが嫌いなカツヲは、「一見さんはお断り」感満載のネオヤング系の店が立ち並ぶ街を威嚇しながら歩いていた。
17時頃に会場の下北沢Shangri-Laについたサブカル系大学生の2人は、とりあえず〔本日の公演〕の写真を撮り、ドン・キホーテで綺麗なお姉さんからの映画サブスクアプリの勧誘にまんまと引っかかったり、楽器屋に寄ったりしながら開場時間を待った。
開場時間が迫るにつれて、徐々にお客さんが集まってきていた。客層は彼らと同年代の人が多いように感じた。
各々で応募したにもかかわらず何故かKと連番になっていた整理番号に驚きつつ、いざ会場に入るとそこはもうライブハウス。
Hiphopを聴くことにすら抵抗があるぐらいのマジメインキャのカツヲは、ちょっとビクビクしながらマンゴージュースを購入し、コソコソチビチビ飲みながら場所を確保した。
‘イエモン’や‘andymori’、最近Kから教えてもらった‘家主’が流れる開演まで30分を切っていたライブハウスで、カツヲは微かな不安に満たされていた。
このライブの主催者の‘インナージャーニー’と、対バン相手の‘SULLIVAN's FUN CLUB’。‘インナージャーニー’にとって、初主催&約4ヶ月振りのライブという節目のライブらしく、「せっかくだから1回観に行ってみよう!」と、ノリで応募したライブであったため、正直に言うとかなり予習不足だった。
約1年半前に‘小山田壮平’経由で知った‘インナージャーニー’は、昨年9月の『風CAMP』で観てから2枚のEPを購入し、ある程度聴くようになった。しかし‘カネコアヤノ’にどハマりし、『カネコアヤノ 日本武道館ワンマンショー 2022』を控えていたカツヲはそっちばかり聴いていたため、ライブ3日前にして“クリームソーダ”と“エンドロール”、そして“グッバイ来世でまた会おう”ぐらいしか曲と題名が一致しないというドアホ具合だった。
そして、急遽‘なきごと’の代打で出演することになった‘SULLIVAN's FUN CLUB’については壊滅的で、
・サリバンなんちゃら
・もともと出演予定だった‘なきごと’とは全く違う雰囲気のバンド
・カモシタサラが決勝に進んだ‘未確認フェスティバル2019’のグランプリ
程度の知識しかなく、音楽性もビジュアルも何も調べずにこのライブハウスに来てしまっていた。
そして時刻は19時になり、最初に出てきた‘SULLIVAN's FUN CLUB’の1曲目(“虎”という曲らしいです。)で、ついぞ溜めていた不安は全て吹き飛ばされた。
いや、、、クソかっけえぇえぇぇええええぇ!!!
クソかっこいいじゃんじゃんじゃん!!!
でも、やっぱり若いから未完成な部分もあるんでしょ?
だなんて斜に構えていた自分が、とても滑稽に思えてきていた。
マジで完成されてたんですよ!1曲目から声出まくりでビジュアルもかっけーし突き抜けるような歌声で叫んでいるし!!!
ベースの人はぴょん吉の服を着ているし!!!
彼らのパンク・ロックは、‘THE BLUE HEARTS’が大好きなカツヲの陰キャ心臓を、ぐわんぐわん揺らしてきた。
マジで、語彙力なんか要らねぇ!カッコイイ!カッコイイ!
ベースの人の髪型スポーツ刈りじゃん!!!眉毛ないじゃん!!!
彼らのMCによると、さっきまで(確か15時)新宿でライブしてたらしいし、明日は大阪でライブらしいし、スゴすぎるでしょ!!
だから初っ端からフルスロットル&最高潮だったのか!と妙に納得しつつ、舞台袖で観ている‘インナージャーニー’のとものしんとちょっとした掛け合いをしているのが印象的。
「片や24時間で3回ライブ。片や4ヶ月振りのライブ。
そんなところで観てないで早くリハーサルしなさい!」
みたいな、内容だったと思います。
一際特別な思いを込めて歌った“DESTRUCTION”、ギターリフが印象的な“DATE DATE DATE”が特にグッときたよ!!!
ライブ終盤でステージに倒れながら歌い叫ぶ彼らは、もうライブハウス全体を掌握していた。
彼らの出番が終わり、ステージの転換中にふと我に返って思った。
「次出てくるのは‘インナージャーニー’で間違ってないよな??あまりにもふたつのバンドでベクトルが違いすぎて風邪でも引いてしまいそうだぜ」
そして、なによりもスポーツ刈り眉毛なしぴょん吉Tシャツのベーシストが、魂をさらけ出して爪弾いていたことが頭から離れなかった。
10分あまりのステージ転換から幕が上がり現れたのは、ちゃんと‘インナージャーニー’だった。
トンデモイケメンのKaitoに続いて、とものしん、カモシタサラ、本多秀がステージに出てきて1曲目は“クリームソーダ”。
これよ、これこれ〜!!!
初めて彼らを認知したときの曲でもうボルテージは最高潮。未だ3月であれど、既に夏の匂いが。
MCのタイミングと内容はほとんど覚えていないけども
・『Another Journey』という題について
・4ヶ月ぶりのライブで〜初めて来てくださった方もいつも来てくださる方も〜
・サリバンは24時間で3回もライブを〜
・今回は残念ながら出来なかったけども、初主催企画1回目に‘なきごと’を呼んだ理由は〜いつかリベンジを!
といった感じ。
「今回はvol.1だけど、vol.100ぐらいまでできたらいいね」
「カウントの仕方をどうするかにも寄るね」
「ツアーごとにカウントすると結構かかるけど、公演ごとにカウントすれば、、、」
というMCも。100とは言わずにvol.10000ぐらいまでやってください!!!
2曲目は昨年9月発売のEP『風の匂い』から“fang”
本多秀のギターソロがカッコイイのよ!改めて歌詞をちゃんと聴いて、めちゃめちゃ好きになりました。
続く3曲はゆったりとしたバラード。普段からライブではやってる(っぽい)2曲と、映画『THEATERS』のエンディングテーマの“映写幕の向こうへ”をライブ初披露。
そんな映写幕が下りる直前の歌、“エンドロール”を続けて歌うという粋な演出。心地よいアルペジオと優しい歌声が響く。
この楽しい時間ももう終わってしまうやん。いやん。でもまだこの曲も、あの曲も聴けてないよ!いやよ!
そんな騒ぐ気持ちを抑えるように、彼らは“ぺトリコール”を歌う。
(ふと気になって‘ぺトリコール’の意味を調べてみると
と出てきた。なにそれ素敵。)
本編最後はこれまた粋なセトリ、“グッバイ来世でまた会おう”。
いや〜満足、、だけど、まだ一番好きなあの曲を聴けてないよ!!!
アンコールで再び現れたKaitoは何食わぬ顔でとものしんのベースをを取り出す。
おいおい、ベースも出来てしまうのかこのイケメンは!!!てかとものしんはどこだ!!!
と困惑してるとやっと出てきたとものしんは何食わぬ顔でドラムに向かう。
困惑深まる中、3人はとものしんに向かって
「あれ、Kaito遅いじゃん何してたの?」
と。あーそういう事かKaitoがとものしんで、とものしんがKaitoってことね、と納得(?)して彼らのやり取りを眺める。
カモシタサラ(カモシタサラ)、本多秀(本多秀)、とものしん(Kaito)、Kaito(とものしん)のおちゃめなやり取りがしばらく続き、「さぁ、やるよ!」と言っていつも通りの配置に。
アンコール一発目は、今回は残念ながら共演が叶わなかった‘なきごと’のカバー、“深夜2時とハイボール”。これがまた‘インナージャーニー’の雰囲気にピッタリ。
そんな‘インナージャーニー’の曲をカバーする‘なきごと’も観てみたい!是非またリベンジを!
そしてラストの曲は、軽快なドラムとギターソロから始まる“会いに行け!”。一番好きなあの曲!!!
もう最高よ。
語彙力ねぇけど、最高なんだ。
彼らに会いたくなったから会いに行った。最高だった。京王線に飛び乗って大正解だったよ!!!
最後はこの空間にいる全員で写真撮影。
‘SULLIVAN's FUN CLUB’はもう既に大阪へ向かったらしい。若いってすげぇ。
熱狂のライブハウスから出たカツヲとKはラーメン屋で談笑withニンニクマシマシラーメン。
ライブ中は下手側にいたためにとものしんのことがよく見えたのだけど、彼、ピック弾きと指弾きとスラップを使い分けてない!?すげぇや!
なんの曲だったか忘れたけど、カモシタサラとものしんがにらめっこのように目を合わせていたときがあって、その光景が体格差で『美女と野獣』みたいになってて面白かった(ちょうどTwitterに上がってた)。
てなわけで、開演前に蓄えていた不安はどっかに飛んでいったわけで、最高に楽しかったわけで、自分とほぼ同い年の彼らがかっこよかったわけで、めちゃめちゃバンドを組みたくなったわけで。
そんなわけで次の旅でまた会いましょう!!
[セットリスト(インナージャーニー)]
1. クリームソーダ
2. fang
3. (曲名不明)
4. (曲名不明)
5. 映写幕の向こうへ
6. エンドロール
7. ぺトリコール
8. グッバイ来世でまた会おう
~アンコール~
9. 深夜2時とハイボール(なきごとcover)
10. 会いに行け!