渦巻く
今日はオーバーサンシャインのカプセルに1時間半浸かっていた。
太陽は見えなく雨を知れない。
バイオリンのかすれた音が、それも一つの長い音が、カセットデッキから流れて、それだけの空間で涙を流した。
手のひらサイズの涙だ。
私はゆったりとしたソファや、ふかふかのベッド、冷たい木の傍、紙に描いた地獄、落ちる夢、あらゆる諦観を心の柱に、
食用の鶏の背中に刃物を突き立てた。
鶏から汗が流れた。
そして無数の稚魚が溢れた。
私は涙を流した。
溢れ出るのは命。私の命は水色だった。胸いっぱいの水色。
オンザコーナー。
私に出来る私だけの餞別。
様々を見送った私へ向けられた哀しみ。
家を出た。夜だった。私に向かない光。知らない光の音。想像で組まれた光の重音。
重ならないひねたガラス通しの屈折光は頭痛薬より大切か。
私は哀しかった。
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