自分なりのスジを通すということ2
正直、会社を辞めると言っていた若手社員の気持ちはもの凄く理解できた。
平日は残業、土曜日も鳴り響く携帯電話。
当たり前に嫌んなるだろうな。
しかも、親に頼りながらも、『会社辞めれて羨ましいなぁ〜』って年甲斐も無く思ってしまった(笑)
結局彼に会社を辞めたい理由を尋ねたら、定型文句のような『他にやりたい事がある。』とのこと。
しかも、公務員になって地元の街づくりを計画することが、彼のやりたい事だった。
これから、公務員試験の勉強を始めると言ってはいたが、本当にそれがやりたい事だったのだろうか。
真実は彼のみぞ知る。
だが、憶測だけれど、彼の本当に求めていたものは、勤務時間がハッキリしていて、プライベートと仕事を完全に分けられている環境だったのでは?
そこで、自分はなにを求めているのだろう?
考えてみる。
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やっぱり、自分の都合でコントロールできる自由な時間!
これを心の底から渇望している。
大阪に転勤してきて2年程過ぎた頃、仙台とは疎遠になりがちだった。
仙台で出会った、ロッカーズの映画から飛び出してきたようなバイク乗りの兄貴分から、いろいろと東北のお土産が宅配で届くようになったのも、この頃だった。
必ずLINEのメッセージには、仙台が恋しくなったでしょ?とか、ホームシックになるような食べものでしょ?とかお土産が届くたびに送られてきた。
今思えば、俺に会いたがっていたんだとつくづく思う。
新しい環境で、やる気が無いながらも、余裕がその時の俺には無かったんだよな。
大阪〜仙台間800キロという距離に、限られた少ない自由な時間で走破しなければならないという余裕のなさに、心が負けていた。
自分の都合でコントロールできる自由な時間を持ってさえいれば、なんのこともない。
それからしばらくして、春から秋になり気分転換にと、バイクとフェリーで九州弾丸ツアーなるものに出掛けた。
その行きのフェリーでの写真を兄貴分にLINEで送ったのち、衝撃な事実を打ち明けられることになる。
『余命6ヶ月の癌だ』と。