青色申告or白色申告?ネイルサロンオーナー必見の節税比較
今年も残すところ2カ月余り。そろそろ確定申告についてお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は確定申告における青色申告と白色申告の違いについて解説します。適切な申告方法を選ぶことで大きな節税効果が期待できますので、ぜひ参考にしてください。
青色申告のメリットとは?
最大65万円の青色申告特別控除が受けられる
家族への給与が全額経費になる
小額減価償却資産の特例で備品購入費を経費にできる
純損失が3年間繰り越し可能
1. 65万円の特別控除
まず青色申告の最大のメリットは、65万円の特別控除が受けられることです。所得金額から控除されるため、大きな節税効果があります。ただし、複式簿記による帳簿付けと決算書の提出が必須条件となるので手間がかかるのが難点と言えます。
2. 家族給与の経費計上
次に注目したいのが、従事家族への適正給与の経費計上です。事前に税務署へ届出を行えば、白色申告の事業専従者控除(配偶者86万円、それ以外50万円/人)以上の金額を経費に計上できるのが青色申告の強みとなっています。実際に働いた分の給与が全額経費になるので、節税メリットは大きくなります。
3. 小額減価償却資産の特例
また、30万円未満の備品購入費を一括で経費に計上できる「小額減価償却資産の特例」も見逃せません。パソコンやネイル用品などをまとめ買いした年は、この特例を使うと節税が見込めそうです。
4. 純損失の繰越制度
さらに赤字決算となった場合でも、その純損失を最長3年間繰り越して将来の黒字所得から控除することができます。開業当初は赤字が続くことも多々あるでしょうが、その赤字を後年の黒字と相殺する制度があるのが大きなメリットと言えるでしょう。
白色申告の特徴
事前の届出が不要
簡易な帳簿付けでOK
一方の白色申告は、事前の届出が不要で申告手続きが簡単です。帳簿付けも現金の出入りを記す家計簿的な方法で構いません。ただし、特別控除はなく節税効果は期待できません。
具体的な節税効果の比較
所得金額が400万円の場合、シミュレーションによると青色申告の方が白色申告より20万円以上も税額が安くなる可能性があります。節税額で見れば、青色申告に分があることは間違いありません。
クラウド会計ソフトの活用
さらに、クラウド会計ソフトを利用すれば、複式簿記の仕訳から決算書の出力、e-Taxでの申告まで行えます。従来は複式簿記が難しいとされていましたが、クラウド会計を使えば記帳作業が非常に簡単になりました。
申請期限と手続き
開業時や現在白色申告の方で青色申告への切り替えを検討されている方は、期限に注意して税務署へ届出を行いましょう。
新規開業の場合:開業日から2ヶ月以内
既存事業者の場合:毎年3月15日まで
まとめ
このようにネイルサロン経営における最適な申告方法は一概に言えませんが、節税効果が高い青色申告を選択するメリットは大きいと言えます。手間はかかりますが、複式簿記の記帳作業はクラウド会計ソフトを活用すれば簡単です。ぜひ青色申告について検討していただき、適切な申告方法を選んでサロン経営を有利に進めていってください。
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