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【散文駄文】ゆっくり丁寧に

「ゆっくり丁寧に。」

よく言われる言葉だけど、僕は「ゆっくり」も「丁寧」も苦手だった。

早くうまくなりたい。早く弾けるようになりたい。

誰かに認められたい。誰かと一緒にいたい。

急がないと、空席以外は満席になってしまう。

ゆっくりなんてしてられないけど

どうしたらいいのかわからない

あがいても、金は減るだけ。

磨いても輝かない。

そんな毎日を送っている。


ある日。

「めちゃくちゃ遅く弾いたら、弾けない曲はないよ」

って、憧れのギタリストが言ってた。

それを聴いてハッとした。

「ああそうか。めちゃめちゃ遅くていいんだ。」

周りの評価も目も一旦置いといて、自分の空席を見つければいいのか。

そうかそうか。

ならBPMは常に40だ。

それでいいや。

「ゆっくり丁寧に」

行きましょう。

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