あなたのブランドを作らせて欲しい!

 突然ですが、あなたに質問です。
 スポーツアパレルブランドで、販売したら一番儲かる、つまり利益率の高いアパレルブランドはなんだと思いますか?

 真剣に考えてください。あなたが仕入れて、自分のクラブの会員達に販売するのです。少しでも利益が多く残る方がいいですよね。

 〇イキ? 〇ディダス? 〇―マ? 〇シックス?

 私は、プロスポーツクラブの経営も行ってきましたし、大手スポーツ商社と販売代理店契約も行っていました。そんな私が、スポーツビジネスで生計を立てたいと願うあなたに、業界の裏話をしたいと思います。

 日本を代表するあのブランドや世界を席巻したあの有名ブランド、実はそのどちらでもありません。

 一番利益率の高いブランドは、「自社ブランド」です。

 そう聞いてあなたはどう思いましたか?

・ そんなの自分にできる訳がない!
・ 大量に作らないといけないから、まだ小さいクラブのうちは難しい。
・ ノウハウがない。
・ 有名ブランドのモノの方が丈夫で、クオリティで勝てない。

他にも様々な意見が出てきそうですね。

そんなあなたに、一つ一つご説明したいと思います。

スポーツアパレルの仕入れは、定価の60~80%が相場となります。これは、会社の取引量などによっても変わります。プロクラブのサプライヤー契約なら、クラブの規模によって数百万円から数千万円分の物品提供があります。特にトップのクラブであれば、別にスポンサー料が発生する場合もあります。それとは別に購入したい場合は、定価の40~60%位の金額で購入したりします。

では、あなたのクラブはどうしていますか?またこれからクラブを始めようと考えているあなたはどうしようとお考えですか?

数百名位の規模のクラブであれば、上記にあげたようなメーカーが80%~90%の提案をしてくるかもしれません。この文章を読んだ方にもオファーが届いた方がいるのではないでしょうか?もっと安い提案を受けている人もいるでしょう。

つまり、それくらいブランドもモノが売れなくなってきたのです。

子供たちが自由に練習したり、普段使いするものは、ブランドのモノでもインターネットでかなり安く販売されています。

これらは、ブランドの販売代理店だけが見ることのできる仕入れページで、在庫が残り少なかったり、あるサイズだけ多く残ってしまったりしたものが、10%~20%程度の価格で仕入れできるようになっているものを販売しているという事です。

つまり残り物です。

これらが、多く出回ってしまった結果、スポーツ店はモノが売れなくなってきているのです。

そうして、直接あなたのクラブ全体を抱えることができないか?とブランド側は考えたのです。

最近、とくにサッカーは様々なブランドが生まれています。なぜ多く生まれているかというと一番儲かるのが「自社ブランド」という事がわかってきたからです。

つまり、わりと簡単に商品を作ることができる様になってきたのです。

ノウハウがなくても、少ない数でも、有名ブランドと同じ品質のものが作れるようになってきたのです。

実際、あなたが知っている有名ブランド達は、プリントや少しのデザインが違うだけど、海外の同じ工場で作っているという事が普通にあります。

そこの工場で、第2第3のブランドも少ない数から商品を作れるようになってきたのです。

こうして競合がドンドン出てきます。そうするとさらにモノが売れなくなってきます。

最近では、Jリーグクラブに商品提供をしている有名ブランドが、事業撤退すると発表し、日本でその有名ブランドを見ることができなくなろうとしています。(今後ブランドの権利を販売するなど一切の事は未定)

この様な話をすると、そんな大きなブランドがなくなるのに、小さなクラブ規模では無理じゃないか?と言われそうですが、そんなことはないと私は思っています。

ピーター・ドラッガーはかつて、こう言ったそうです。

「企業の目的は顧客の創造である。したがって、企業は二つの、ただ二つだけの企業家的な機能をもつ。それがマーケティングとイノベーションである。マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす。他のものはすべてコストである。」

つまり、このマーケティングとイノベーションを他者に依存したブランドが消えて行き、そこに特化したブランドが確実にそのシェアを伸ばしているのです。

あなたがよく知る、世界の1位2位のブランドの日本法人は、工場なんかもっていません。

やっている仕事は、このマーケティングとイノベーションだけなのです。

日本は、昔から職人を大切にしてきました。もちろんそのマインドは大切です。しかし、どんなに良い商品を作ったとしても、売れなければその職人達は食っていけません。職人が職を失うのです。ただの人になってしまいます。

これら素晴らしい職人を守りたいならなおの事、商品を販売しなければなりません。

このマーケティングとイノベーションの結果モノが売れて、利益がでるからより良いものが作れるのです。

つまり、あなたがこれらスポーツブランドを作ろうと考えた時にやることは、いい商品を作ることでも、安く売ることでもないのです。

どこかのブランドに依存するのではなく、あなたやあなたのクラブ自身がマーケティングとイノベーションを行えば、ブランドを作ることは可能なのです。

逆に、有名ブランドと契約し、安く仕入れてクラブ会員に販売しようとしても、あなたが仕入れた価格より安い価格で、インターネットで販売されたりします。

それを見つけたクラブ会員はどんな行動を取るでしょうか。

そんな事になるくらいなら、自社ブランドで価格が見えない、値崩れしないものを作った方が良いのではないでしょうか。

私は、「P’lus Nine」 というブランドを2005年に立ち上げて今も販売しています。

しかし、そのほとんどはネットではなく、BtoBつまりクラブに直接販売しています。

それは、クラブ様により利益を出して頂きたいからです。

クラブが自ら価格を決め、どの様に販売するかを決めて欲しいのです。

クラブが、マーケティングとイノベーションに集中できる環境を作りたいと考えています。

もちろん弊社より安く商品を作る工場は、国内でも海外でも探せばいくらでもあると思います。

しかし、これら工場のお客様はあなたやクラブです。商品を買って貰えさえすれば、クラブに在庫が残ろうが、決算で黒字倒産しようが知ったことではありません。

弊社は、無駄に多くの商品を売り付けたりはしません。

クラブがクラブのお客様にどの様に販売し、どの様に商品づくりをしたら良いかをサポート致します。


実は、こうやってご案内できるようになるまでとても時間がかかりました。

僕自身、そうは言っても有名アパレルブランドのモノがカッコイイのではないかと思っていたからです。

しかし、ある時にこんな様子を偶然見かけました。

設立当初から、P’lus Nineを使って頂いているサンビスカス沖縄というクラブのイベントに顔を出した時の事です。

グッズ売り場で、クラブのオリジナルグッズを販売していました。その中に弊社の商品も置いて頂いていました。

その売り場の様子を離れてみていると、あるお子様が保護者の方にこう話していたのです。

お子様:「プラスナインってどういう意味なの?」

保護者:「知らないなぁ~でもカッコイイね!」

お子様:「うん!コーチ達とお揃いのユニフォームだからカッコイイ!」

この時私は、ハッとしました。

私のブランドとか、商品のクオリティがという事ではなく、サンビスカス沖縄のコーチが憧れの存在だから、私のブランドがカッコイイのです。

その時に私は思いました。

クラブやコーチの皆さんの価値が商品の価値なんだと。

まさに、弊社ブランドがクラブに依存している状況だと。

これでは、弊社は生き残れない。クラブが他のブランドを選んだ時に、弊社は潰れてしまうかもしれないと。

まさにマーケティングとイノベーションを依存している状況でした。
クラブの代表者が、スポーツマーケッターの第1人者宮城哲郎氏だったので、今思えば当然の事でしょう。

しかし、それではいけません。

攻めてWin Winの関係にならなければいけないと思う様になりました。

その日から、安く販売したり、いい加減な販売の仕方ができなくなりました。

そして、購入してくれているクラブさんにも、凡そこれくらいの価格帯の商品なので、これ位以上で販売した方が良いとお伝えするようにしています。

それはクラブに儲けて欲しいし、マーケティングとイノベーションに専念して欲しいからです。

この様に考えると、必ずしも私の「P’lus Nine」というブランドじゃなくても、クラブの希望があるならオリジナルの自社ブランドを作るお手伝いができるのではないかと考えたのです。

ただ利益率の高い商品を販売すれば良いのではなく、ここでしか手に入らないクラブと会員が繋がれるツールとしての商品を作っていけないかと考えたのです。

自社ブランドと聞くとなんだか憧れる人もいれば、恥ずかしくて作りたくないという方両方いると思います。

私も設立当初はその葛藤でした。

「あなたのブランドを作らせてください。」と言うのは、あの子供とクラブの関係の様な「憧れのクラブ」をつくるお手伝いをさせてくださいという事です。

有名ブランドを付けているから憧れるのではないし、せっかくあなたやあなたのクラブに憧れているのに、有名ブランドだけが儲かる仕組みはもったいないというお話です。

スポーツビジネスを今後行って行く方に、今回のレポートが何かの参考になれば幸いです。

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宮城'亮'の主なプロフィール

✔Jリーグ全クラブ中3年連続ホームタウン活動No,1

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◾️学生時代
・15歳でブラジルに短期留学し、こんなにサッカーで盛り上がる町を作りたい!
・20歳大学在学中にFC琉球の立ち上げに参加
・21歳大学在学中「FC琉球対ケツメイシ」を企画、3000名以上の人を集め注目される。
・22歳大学在学中に起業。ホームゲームの設営や運営、ファンが集まるコミュニティスペース「+9」をつくる。
・22歳アパレルブランド「PLUS NINE」(現P'lus Nine)を設立

◾️設立・職歴
・FC琉球立ち上げに参加。
・P'lus Nine設立(アパレル、イベントスタジオ、イベント企画)代表
・NPO法人ナインプロモーション沖縄設立 代表理事 スポーツ活動費の支援
・総合型スポーツクラブサンビスカス沖縄設立
・FC岐阜 地域貢献推進部 部長(3年連続ホームタウン活動Jリーグ No1、ホームゲーム初の来場者1万人達成)
・P'lus Nine株式会社設立 代表取締役
・日本脳性麻痺7人制サッカー協会 理事
・沖縄県総合型スポーツクラブ連絡協議会 代表
・一般社団法人ツノスポーツコミッション 代表理事(現在:理事)
・J.FC宮崎(宮崎県からJリーグ入りを目指す) 代表取締役


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読んで頂き誠にありがとうございます。 小さな町のクラブをJリーグに昇格させる。 不可能な話に聞こえるかもしれませんが、過去他のJクラブを昇格・経営してきた僕には、道筋がみえています。 このnoteで自分の給料を捻出したいと思います!支援のほど何卒よろしくお願い致します。