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脳出血blog11

本日の東京地方は気温19℃。昨日とは打って変わり早朝から快晴です。不思議なもので、気候が良いとほんと気分が良い。気分が良いと良い事をしたくなる。そこで突然ではありますが、本日、わたくし交番に出頭してまいりました!

ちなみに「出頭」とは、ネガティブな意味合いで使用されるケースが多いですが、本来は警察他、公の場に自ら出向くことをいうようです。つまり、なにが言いたいかって…僕は間違ってないんだからね!

ちょっと心に引っ掛かっていた事に決着をつけるため、僕は本日早朝6時30分頃、本当に交番に向かいました。そうです。手先がうまく動かず、呂律も回らなくなった僕の代わりに救急車を呼んでくれた、あのお巡りさんがいる交番へ。

早朝という時間帯を選んだのは、自分なりの理由がありました。あの界隈の駅前交番であれば、早朝のほうがお手すき?だと考えたのです。

道中、まだ完全ではない呂律を少しでもカバーするため、マスクで覆った口のなかで小さく「あいうえお、いうえおあ、うえおあい、えおあいう、おあいうえ、かきくけこ…」と、発声練習しながら向かいました。

正直、ひとりであの界隈に近づくのは、しばらく無理かなと思っていました。単純にトラウマだからです。実際、交番が近づいてくると、やっぱり少しドキドキしてしまいました。

そしてついに到着。

交番の外側から中を見ると、30代ぐらいのお巡りさんが二人いて、予想的中というか、やはりその時間帯は、まだ出勤のため駅に来る人たちもまばらで、交番を訪れている人もいませんでした。

「すみません。失礼します」

ほんの少しだけ心に弾みをつけて中に入ると、やはり職業柄なのでしょう。お巡りさんは二人とも、普通の対応をしつつも、どこか警戒心は解かない武士のような眼差しをしていました。そりゃそうです。スーツ姿でもなく、マスクで顔を覆い、キャップまでかぶっている時間帯にそぐわない中年男がボソボソと喋り始めたのですから。

僕はマスクをはずし、脱帽もし、背筋を伸ばして敬礼… いや、敬礼はしませんでした。実はこれこれで、やっと人並みに会話が出来るようにまで回復したので、僕の代わりに救急車を呼んでくれたお巡りさんにどうしてもお礼を伝えたかったと話しました。

「あら!そうだったんですか! 良かったじゃないですか!」

武士たちの眼差しが一気に柔らぎました。手ぶらで来てかたじけないと告げると、彼らは我々の職務の性質上、そういったものは受け取る事は出来ないので、どうかお気遣いなく。ただ、あなたがご無事で本当に良かったと言ってくれました。

残念ながら、当該のお巡りさんは勤務時間ではなく会えませんでしたが、僕がここに駆け込んできた日時、2月17日の22時ごろをカレンダーでチェックしながら、私どものほうでは、その人物が誰なのか把握できているから、あなたの気持ちは必ず伝えておきますと約束もしてくれました。

失礼ながら、顔を思い出せないそのお巡りさんですが、彼が生涯怪我することなく、健康で活躍されることを心から祈っています。本当にありがとうございました。

最後にあらためて背筋を張り、敬礼をして…いや、敬礼はしませんでした。深々と頭を下げ交番から失礼させていただきました。

ちょっと天気が良くて体調も良かったぐらいで、他人へ配慮する心の余裕をみせるなんてアホみたいでしょ? でも、今日だけは調子に乗らせください。だって、こんなに天気が良いのだから。

あれ? 雨降ってきたー!!

#エッセイ #脳内出血 #脳卒中 #後遺症 #警察 #出頭 #ありがとう #天気

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