まつりのあと?いいえ、まだまだ真っ最中!
こんばんは。隔週水曜日ブログ担当の中田暁良です。
配信公演「たすいち 春の短編まつり」本番が先日無事に終了しました。
精も魂も尽き果て、正に「まつりのあと」といった這う這うの体で日々生きておりますが、このおまつり、まだまだ終わっちゃおりません。なんと5/22までは引き続きチケットも購入でき、5/23のそれぞれ開演時間まではアーカイブとしていつでも、何度でもご視聴いただけるのです!
と言うわけでまだまだこのおまつりを盛り上げていきたい!中田が演じた役柄についてはTwitterの方でまとめてみたので、ここでは配信公演に至るまでの経緯的なものを綴っていこうかな。
⬆️が役に関するツイート。
さて。そもそも今回の公演は第35回公演「魔族会議」を上演するためにスタートしました。
まだこちらのフライヤーが記憶に新しい方もいらっしゃることでしょう。
それが、4/25に東京都などを対象に発令された緊急事態宣言を受け、お客様を劇場に入れての公演が出来ない、という状況に直面します。
ただ、もともと同時配信の準備も進めていたことから、配信のみで公演を打つ可能性も残されていました。が、コロナ禍や配信公演に対する不安などもあり、何名かの役者が戦列を離れることに(それぞれの判断はどれも尊重すべきものであり、納得がいくものでした)。
そこで、「魔族会議」の上演は断念、急遽いくつかの短編を過去に上演したものの中からピックアップして配信しよう、となりました。
「魔族会議」から引き続き参加してくれることとなった客演陣に、有事の際の代役控えとしてスケジュールを確保していただいていた菊池泰生くん、熊谷有芳さんも加わり、さぁこれから頑張って稽古して行こう!となった矢先。
主宰、目崎剛が虫歯の悪化で入院しました。
大事には至らず、今でこそ退院し元気にやっておりますが、当時は頬がパンパンに膨れており、細菌が内臓に到達していつ失神してもおかしくない危険があるという状態でした。
入院しないという選択肢はありません。しかし同時に、公演を中止するという選択肢もありませんでした。
個人的な事を言うと、何の科学的根拠もなしにただ「人流を抑制する」というふんわりとした理由のために、劇場が理不尽に休業に追い込まれ、演劇は「不要不急である」とのレッテルを貼られました。
誰かにとっては確かにそうかもしれません。しかし、私にとっては、今回関わってくれたキャスト・スタッフにとっては、何よりたすいちの公演を楽しみにして待ってくれていたお客様にとっては、決して「不要不急などではない」。
そういう強い思いが胸に込み上げていた以上、主宰が入院したごときで立ち止まってたまるか、とガムシャラに突き進む事を選んだのです。
それからの日々はまさしく怒涛でした。
客演さん達に目崎の状況の説明、改めてご参加いただけるかの意思確認(ここで居なくなる人が出なかったことに救いを感じていました)、各スタッフとの連絡、実際にどう公演を打つかの事務作業…。
今まで目崎が担っていたものの全てが劇団員の肩にのし掛かってきました。各々、自分が出演する作品の稽古もある中で、本当によく動いて一つ一つ課題を解決していってくれました。目崎も病床からリモートで作品のクオリティを上げるために、稽古場の映像を見ながらダメ出しを送り続けてくれました。何より、こんな状況でも前向きに、作品のために力を尽くしてくださった客演陣、スタッフ陣には感謝してもしきれません。
目崎が復帰し、駅前劇場に入ってからも色んな問題に直面しました。が、ここまで来ると、大変と言うよりは「やっと演劇が出来る」という楽しさが勝っていたように思います。ここまで来たんだ。あとは何が起きても大丈夫。乗り越えられる。そんな確信めいた思いがありました。
そうして迎えた本番当日は、まさにおまつりのようにあっという間に時間が過ぎていきました。気が付けば、舞台も照明もカメラもマイクもなくなった舞台面に佇んでいたかのような感覚です。
お客様の居ない劇場で、私たちがやったことは果たして演劇だったのだろうか。そんな考えは、配信中のコメントやSNSに寄せられた感想を読んだ時点で吹き飛びました。演劇をやる私たちが居て、それを遠くからでも見てくれるお客様が居て、作品を楽しんでくれたのならそれが一番じゃないか。それが一番やりたかったことだったんじゃないのか、と。
ありがたいことに、今でも配信をご購入いただくお客様が増えております。もっともっと沢山の人に演劇を、たすいちを知ってほしい。このおまつりを楽しんでほしい。
下記URLから配信チケットがご購入いただけます。
14時の回 https://v2.kan-geki.com/live-streaming/ticket/288
18時の回 https://v2.kan-geki.com/live-streaming/ticket/289
この文章を読んで、少しでも興味を持ってくださった方が、一緒におまつりを楽しんでくれる事を祈っております。
それでは今日はこの辺で。また再来週の水曜日にお会いしましょう。
頂いたサポートは、今後の活動に役立てさせていただきます!