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<全米ヒットチャート:#21-30 Collection>#006 「チャットくん」名誉挽回! 「会ったとたんに一目ぼれ」に「君に夢中」 

<「チャットくん」の名誉のために>
前回の拙稿#005で再登場したチャットくんについて、彼の名誉挽回のためにも、その後のやり取りを掲載します。前回、チャットくんの返答内容で、Jane Morganの「The Day The Rains Came」のリリース日が不正確だった点についてです。

リリース日と最高位21位を記録した年が1959年と答えたことに対する根拠を聞きました。

(以下、OpenAIのChatGPTとの対話を基にした内容です。)

ご指摘いただきありがとうございます。先ほどの回答で、ジェーン・モーガンの「The Day The Rains Came」のリリース年とチャート最高位について誤った情報をお伝えしてしまいました。正確な情報を以下に訂正いたします。

リリース年とチャート最高位の訂正
• リリース年:ジェーン・モーガンの「The Day The Rains Came」は、1958年にリリースされました。
• チャート最高位:この曲は、1958年12月11日付の英国シングルチャートで初登場し、1959年1月に1週間、同チャートで第1位を獲得しました。
また、アメリカでは1958年9月20日にチャートに初登場し、11月22日に最高位21位を記録しています。

誤った情報の原因
先ほどの回答で、リリース年を1959年とし、全米ヒットチャートでの最高位を21位とお伝えしましたが、これは情報の確認不足による誤りでした。実際には、1958年にリリースされ、英国では1959年にチャート1位を獲得し、米国では1958年に最高位21位を記録しています。

この度は誤った情報をお伝えしてしまい、大変申し訳ございませんでした。今後は情報の確認を徹底し、正確な情報を提供できるよう努めてまいります。

(以上、OpenAIのChatGPTとの対話を基にした内容でした。)

間違いを正しつつ、正しい情報について、インターネットのリンクを含め、根拠を説明しています。根拠のリンクについては、リリース日についてはDiscogs.comの、UKのチャート情報についてはOfficialcharts.comの、アメリカのチャート情報については、Billboard Databaseの該当ページのリンクをそれぞれ提示しています。

ということで、チャットくんには名誉挽回、汚名返上をしていただきました。「生成AI」の分野では、RAG(検索拡張生成(Retrieval-Augmented Generation))といった技術も開発が進んでいて、「生成AI」が学習していない外部知識を検索し、質問に適した情報を抽出して、それに基づいた回答が可能になってきているようです。ローカルLLM(大規模言語モデル)でのRAG使用など、クラウドに頼らず情報漏洩のリスクを軽減することもおこなわれているようです。

<The Four なんとか>
ということで、本題の最高位21位を紹介に戻ります。まだ、一向に1950年代から進みませんが、最高位21位の6曲目は、ペンシルベニア州出身のボーカルグループ、The Four Coinsの「The World Outside(#21-0006(266))です。1958年12月1日付で1週のみ最高位21位でした。The Four Coinsには、他に、Hot100以前の1955年12月10日付のBest Sellers in Storesで最高位22位の「Memories Of You」や1957年7月22日付のMost Played by Jockeysで最高位11位の「Shangri-La」などのヒットがあります。

最高位21位 6曲目 (266)
The Four Coins - The World Outside (1958)

この頃の曲には、いわゆる競作のようなリリースがあり、チャートインした曲のみを挙げても、「The World Outside」はThe Four Acesの「The World Outside」が1958年12月15日付で最高位63位、拙稿#004にも登場したポップスピアニストのRoger Williamsの「The World Outside」(これはインストゥルメンタル曲ではありません)が同日1958年12月15日付で最高位71位と、The Four Coinsの「The World Outside」の最高位の週の2週間後に最高位を記録しています。

また、「Memories Of You」は、これらもHot100以前ですが、Benny Goodman Trio with Rosemary Clooneyの「Memories Of You」が1956年3月17日付のMost Played in Juke Boxesで最高位20位、Hugo Winterhalter And His Orchestraの「Memories Of You」が1956年2月11日付のTop100で最高位62位となっています。そして、「Shangri-La」は、ジャズハーピストのRobert Maxwell His Harp And Orchestraのインストゥルメンタル曲「Shangri-La」が1964年5月2日付から3週連続最高位15位に、Vic Danaの「Shangri-La」が1964/05/16日付で最高位27位に、The Lettermenの「Shangri-La」が1969/11/08日付で最高位64位なっています。

アダルト・コンテンポラリー・シンガーのVic Danaは「Red Roses For A Blue Lady」(邦題:ブルー・レディーに紅いバラ)が1965年4月3日付から2週連続で最高位10位の、ボーカルトリオのThe Lettermenは「When I Fall In Love」(邦題:恋におちた時)が1962年1月27日付で1週のみ最高位7位と、「Goin' Out Of My Head/Can't Take My Eyes Off You」(邦題:愛するあなたに)が1968年2月10日付から2週連続で最高位7位の最大ヒットとなっています。The Lettermenの「Goin' Out Of My Head/Can't Take My Eyes Off You」はライブバージョンで、Little Anthony And The Imperialsの「Goin' Out Of My Head」(邦題:アウト・オブ・マイ・ヘッド)(1964年12月26日付から3週連続で最高位6位)とFrankie Valliの「Can't Take My Eyes Off You」(邦題:君の瞳に恋してる)(1967年7月22日付で1週のみ最高位2位)のメドレーですね。

「Memories Of You」は映画「The Benny Goodman Story」(1956年)からの曲であったり、これらの曲は半ばスタンダード曲のような使われ方をした側面もあったと思います。音楽出版社のプロモーションも現在とは若干異なっていたこともあったのでしょう。

さて、ここまで最高位21位の曲を6曲紹介してきました。そのうち、アーティスト名がThe Four Preps、The Four Esquires、The Four Coinsと、その名が「The Four 〇〇」というグループが3つ登場しています。1958年ですでに3つですから、他にもどんどん登場してくるものと思いきや、2025年1月25日付現在、この3グループのみのようです。

「The Four 〇〇」ではなく、「Four」や「4」が含まれるアーティスト名の最高位21位曲は、Elvis Presleyの曲で、Elvis Presley With The Jubilee Four And Carole Lombard QuartetやElvis Presley With The Jordanaires, Jubilee Four & Carol Lombard Trioというアーティスト名で計2曲を確認することができます。これらの最高位21位曲は今後紹介します。

<「会ったとたんに一目ぼれ」>
さて、The Four Coinsの「The World Outside」が最高位21位となった週(1958年12月1日付)のNo.1は、カリフォルニア州ロスアンジェルス出身の3人組グループ(この連載の参考書「Top Pop Singles」によればwhite doo-wop trio)、The Teddy Bearsの「To Know Him, Is To Love Him」(邦題:会ったとたんに一目ぼれ)で、3週連続のNo.1となりました。この曲は、このグループのメンバーPhil Spectorは、後にスーパースター・ライター&プロデューサー(同書)であり、The RonettesやThe Crystalsなどで有名なPhilles Recordsの共同創設者だったことでも有名ですね(Phil Spectorについては、別の機会に深掘りします)。

The Teddy Bears - To Know Him, Is To Love Him

ところで、この曲もカバーバージョンがヒットしていて、Peter And Gordonの「To Know You Is To Love You」(邦題:つのる想い)が1965年8月7日付から2週連続最高位24位、Bobby Vintonの「To Know You Is To Love You」(邦題:逢ったとたんに一目惚れ)が1969年5月3日付から2週連続最高位34位となっています。邦題がそれぞれ異なります。また、この2曲とも曲名を「Him」を「You」に変えていますね(なお、The Beatlesの録音で、「Him」を「Her」とした「To Know Her Is To Love Her」の音源が残っています)。

Bill Conti - Gonna Fly Now (1976)

また、この曲のリードシンガーのAnnette Kleinbardは、後にCarol Connorsと改名し、 Bill ContiとAyn Robbinsとの共作のBill Contiの「Gonna Fly Now」のライターとしても知られるソングライターでもあります。なお、Bill Contiの「Gonna Fly Now」は、言わずもがな、映画「Rocky」(1976年)のテーマ曲で1977年7月2日付で1週No.1を記録しました。Rhythm Heritageが「Theme From Rocky (Gonna Fly Now)」(1977年3月12日付最高位94位)、Currentが「Theme From "Rocky" (Gonna Fly Now)」(1977年5月14日付最高位94位)、Maynard Fergusonが「Gonna Fly Now (Theme From "Rocky")」(1977年6月25日付最高位28位)を、それぞれ、ヒットさせています。

と、ここまで書いてきて、Little Anthony And The Imperialsの「Goin' Out Of My Head」をSergio Mendes & Brasil '66が「Going Out Of My Head」(邦題:君に夢中)として1966年にカバーしていたことを思い出しました(チャートインは記録していません)。さらに、The Teddy Bearsの「To Know Him, Is To Love Him」(邦題:会ったとたんに一目ぼれ)と組み合わせて、大滝詠一の「いつも夢中」の歌詞を思い出した次第です(大滝詠一の「いつも夢中」は、そのものズバリの「君に夢中」や、「ムーチュ」の曲名でもリリースされていますね)。

では、また。


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