三谷幸喜ドラマ『2013 大空港』の感想など!
#三谷幸喜 #2013大空港
#竹内結子 #ドラマレビュー
またまた、三谷幸喜のwowowドラマ。前回「short cut」を紹介したが、この作品も「ワンカットワンシーン」で作られている。三谷によると、前回おもしろいものが撮れたということで、もっと大掛かりなものに挑んだとする。「ワンカットワンシーン」の手法は、映画に舞台の緊張感をもたせ、俳優の演技を引き出そうととするもの。「これは僕しかやらないし出来ない!」そう思ってつくったようだ。
*大雑把なあらすじ
グラウンドスタッフ(以下、GS)の大河内千草(竹内結子)。大河内は羽田空港勤務だったら、いろいろあって長野松本空港で現在働いていた。
羽田空港の天候不順により、急遽として大型旅客機が松本空港に降りることとなる。普段はあまり多く人がいない空港。乗客が降りると空港は人で溢れた。それをテキパキこなしていくGS大河内(竹内結子)。
降りてきた客のなかに、問題のありそうな家族がいた。それは田野倉家のファミリー6名、妻と夫、妻の父とその息子、夫婦の子供たち長女と長男。田野倉家は、妻の母の葬儀のため九州の田舎に帰ったのだ。松本空港に降りたのはその帰り途中だった。
妻の兄・鶴橋蔵之介(生瀬勝久)は、プラネタリウム事業に出資していたが、資金が底をつき困っていた。そのため、妹夫婦に金を借りようとしていたのだ。一方、夫の田野倉守男(香川照之)の愛人・歯科衛生士がこの旅にずっとついてきていた。松本空港の中でやたらと守男にちょっかいを出す。妻の美代子は、得体の知れない偽パイロット国木田修(オダギリジョー)に心をときめかす。また長女の彼氏も隠れてこの旅についてきていた。
*ドラマの見どころを紹介!
ほぼ100分のドラマ、これに竹内結子が出ずっぱり。今更ながら思うのは美人だということ。しかも人間的にもしっかりしている人物に見える。イキイキと仕事をこなしていく姿も魅力的だ。竹内結子のファンなら絶対に何度も見るだろう。
妻の父、鶴橋清正(綾田俊樹)。妻を亡くしたことをキッカケに、この空港においてカミングアウトしようとする。30年、40年も家族に黙っていたこと。GS大河内(竹内結子)は揉めるのは困ると思い、止めにはいるのだが… .。
娘の田野倉真弓(石橋杏奈)。まだ21歳となる女子大生だが付き合っている彼氏がいた。この男との結婚を両親に伝えようとする。だが40代で「バツ3」という男。これも揉めるのではないかと思い、GS大河内は阻止しようと動くのだが、結末において、思わぬ展開となった。
*ドラマのエピソード!
筆が遅いことで知られている。三谷幸喜。自分でも充分それはわかっているはずだ。だが、やはり遅くなる。このドラマのリハーサルに入った時点で、後半部分の脚本ができていなかったと言う。困るのはキャスト、とくに主演の竹内結子はゾっとしたようだ。
松本空港は、1日2便しか離発着がない。普段はほとんど客のいない空港である。そこにエキストラ100人をおし込んだ。この状態の中でおこなう「ワンカットワンシーン」。当然、ハプニングが起きるはず!ところが、三谷自身が感心するのは、竹内結子がアドリブですべて対処したことだ。
三谷幸喜監督の考えとしては、自分の考えと違った方向に話が行くことを常に求めている。八日間のリハーサルをやると、俳優は慣れてしまい、自分の脚本通りのものができてしまう。これが嫌なのだ。撮影では直前に演技を変えさせた。妻の兄、鶴橋蔵之介が階段にあるポスターを破くシーン。これにもGS大河内(竹内結子)は、平然とアドリブで対応している。
大変だったのは、撮影の山本監督。20キロもある撮影機材を担いで、松本空港内を歩きまわった。階段などでも、俳優の演技についていかなくてはいけない。まぁしんどかったようだ。撮影が終わった途端、床に汗びっしょりで倒れたと言う。
*まとめ
三谷幸喜のエッセイ「ありふれた生活」を読むと、彼の特徴がよくわかる。日常生活はほとんどが地味。しかも人と話す事は苦手なようだ。酒は一滴も飲まない。まぁ一言でいえば「面白くない人間」のように見える。
その三谷幸喜が、一旦筆を手に取ると面白い話が頭から湧いてくる。一体どうなっているのだろうか。まぁお笑い芸人が家庭で全く面白くないのと同じと言えるかもしれない。そこが彼の魅力なのだろう。