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[TV番組評]科学番組『フロアで会いましょう』 第二回、日本人のルーツはどこから?

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この番組は、NHK BS『フロンティア』をより砕いたカタチでお茶魔の人に観てもらう意図でつくったもの。MCに芸人の永野、そしてゲストに視聴者代表として芸能人3名を加え、番組をすすめていく。さすがに芸人の永野、随所に笑いネタをいれ、視聴者を飽きさせずに解説していて好感が持てる。子供にぜひ観て欲しい番組といえるようだ。だが、放送枠の関係からか?夜11時からの放送時間となった。そこは残念と言える。

*日本人のルーツは?
最新科学により、今までわからなかったとされる古代人のことが、より詳しく解明され始めた。結論から言えば、縄文人が住みついていた日本列島に、3千年前ほどであるが大陸から農耕の技術と、金属製品を作りだす技術を持ちこんだ弥生人が入ってきて、両者が交わったとされる解釈。これが少し違っていたということだ。今まで我々学校でそう習ってきたが、それだけではなかった。

この最新の科学は、ノーベル生理学医学賞を2022年に受賞したドイツのマックス・プランツ研究所のスワンテ・ペーボ博士が開発した技術である。古代人の骨から採れるDNAは、せいぜい「ミトコンドリアDNA (以下mt DNA)だった。しかしこのmt DNAは、人体の塩基配列のわずか0.0005%しかない。しかも母方の先祖がわかるだけだった。ペーボ博士はPCR法により増殖した核DNAを、次世代シーケンサーにより一気に塩基配列を読みとる技術を確立し、これにより古代人のDNAがわかってきたと言うことである。

この技術を応用したのが、金沢大学やダブリン大学など10カ所に及ぶ研究者による国際共同研究だった。2021年、日本列島の遺跡から出土した縄文人9個体、古代人3個体を分析すると、新たに東アジアの遺伝子が見つかったという。これは全く誰も知らなかった情報である。現在の日本人は、縄文人と弥生・北東アジア人、そして東アジア人由来の「3重構造」になっていると提唱した。

*縄文人は開拓精神旺盛か?
アフリカで誕生したホモサピエンス。4万年前から5万年前にアフリカを出て、2万年前に東アジアにやってきたとされる。その人々が海岸沿いを北上し、日本列島にたどり着いた。これが縄文人だと言う。当時の地球は寒冷化により日本列島は大陸をつながっていたので、歩いてたどり着くことができた。

番組内では、開拓精神(フロンティア気質)により、北上したという説明があったが、それだけではなかったはずだ。後から東アジアに入ってくる人々との競り合いがあったと考えられる。大々的な戦いがあったかもしれない。つまりは押し出されて北上したという事。そうでなければ、危険をともなう未知の土地にはいけなかったと考えられる。

*東アジアにいた縄文人の祖先?
これはマレーシア山奥に住むマニ族の人々。今の東アジアには縄文人のDNAを持つ人はいない。このマニ族だけが持っていた。西方からやってくる侵略者に対し、マニの人々は、山奥に逃げ込み、外界との関係を断つことで生き残ったと考えられる。

男性の身長は150センチくらいで、顔も今の日本人とは異なる。ただし、生活は縄文人と同じ。狩猟と自生のイモや木の実などの採集がおもだ。まさに縄文人の食文化そのものだった。

*古墳人と現代日本人との違い?
番組では棒グラフで、その違いを解説していた。縄文から弥生人になると、その60%が縄文人DNA、40%が弥生・北東アジア人DNA。古墳時代になると、東アジア人DNA 65%、弥生・北東アジア人20%、縄文人15% DNAとなる。現代日本人は、東アジア人DNA 80%、弥生人DNA 10%、縄文人DNA 10%。

ゲストの勝村正信(俳優)が、「大陸の戦乱を逃れて日本に来たんではないか?」とコメントしていた。このグラフを見ると、まさにそれが当てはまるようだ。中国や東南アジアの歴史を見ると、まさに戦争一色だった。誰もがこれでは逃げたくなるだろう。

*まとめ
「なぜ日本が技術大国になったか?」この疑問。私が昔から言ってきたことだが、それは大陸にいた有能な技術者たちが、こぞって日本列島に逃げてきたからだと…。そうでなければ、日本が明治維新以後、いち早く西欧にキャッチアップした理由が説明つかない。

江戸時代にパリでも流行した浮世絵。これだってその画家の先祖は大陸からやってきた人たちに違いない。漫画、コミック、アニメ大国となった日本。これらは日本の漫画家がすべて描いたものだ。そのDNAは先祖から代々受け継がれているといって間違いないだろう。

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