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BIZ[体験談]エアコンを売切るために!取りつけ技術の習得。3日間研修の旅?

#BIZ   #体験談 #エアコン工事
#エアコン取付  

総合雑貨二店舗を家族四人プラス パート&バイトでおこなっていた。主力商品は家庭のキッチン用品である。鍋やフライパン、包丁から電気ポット炊飯ジャーを中心に販売する。しかしそれだけだと売上げが限られてしまう。そんなところから徐々にではあるが、ディスカウント店に切り替えていった。同業4社10店舗でグループをつくり、共同仕入れ共同チラシをおこない売上げをあげていく。やり方は、現金一括買いつけ。これにより量販店並みの仕入れ価格となり、そこに15%の利益を乗せて売り出すというスタイル。かなりの激安といえた。

困ったのは、自社の店舗が田舎にあったということ。他の三社に比べれば、売上げは半分から三分の一以下である。となると仕入れ数量もそれに合わせたものとなった。問題がエアコンの販売。これには工事人を確保しなければいけない。専任の工事人は1日5台ほど取付ける。1日に5台売れれば、都合をつけてもらえるのだが、自分のところではせいぜい二台販売する程度。これでは確保は難しい。エアコンを販売する場合、いつ工事ができるのか?これが決め手となる。それができない。まずいのはエアコンを1月に40台も仕入れてしまったこと。これは他の三社との話合いで決まったことだが、翌年になればすべて旧型になってしまう。

そこで考えたのが、自分で学んで自分で取り付けるということだ。取引先の家電卸(問屋)に相談すると、東芝でおこなっている研修会を教えてくれた。費用は前金で4万円弱、日程は2泊3日だという。場所は、静岡の富士市だったと記憶している。もうやるしかない!そう考え、金を払った。しかし、この研修の数日前、40度の熱が出てずっと寝込んでいたのだ。大体おさまったのは研修日の当日、フラフラしながら電車と新幹線を乗り継ぎ、研修先にたどり着く。

東芝では、自社の家電製品を売るため、家電販売店の工事をサポートする研修所をつくっていた。ここで寝泊まりしながら技術を身に付けていくというもの。家電製品を売るためには工事技術は必須である。案内された部屋は2人用だった。相方となったのは新潟から来ていた20代の青年。話を聞くと、電気工事会社に入社したりばかりだと言う。社長に言われ、ここにやってきたそうだ。

朝7時、朝食を済ませると大型バスが宿舎の前に止まる。総勢40名ほどが乗り込んだ。そこからわずか10分で研修先となる工場についた。初日は完全な座学で、エアコンの理論や構造を学ぶ。2日目は午前が座学の続き、午後は取付方法の説明となり、最後の2時間ほど実地取付を学んだ。

3日目の最終日、これは一日中実地の取付け練習となる。はじめ理論重視でこれで大丈夫か?とも思ったが、とにかく頭に全て入れる事はできた。面白かったのは、研修に来ていた人たち、皆が遊び半分だったこと。夜ともなれば知り合った五人で街に繰りだす。かなりの酒豪がいたり、社長のボンボン息子などがいたり、その話を聞くだけで疲れが癒されたようだ。

帰宅して、まずやった事は道具と材料を買い揃えること。当時は近くにホームセンターがなかったため、電話帳で電材店を探し、買にいく。道具については、新潟三條の問屋を通じて買い揃えた。準備は万端となる。後はサポートしてくれる助手を探すことだった。

ちょうど知り合い、元電鉄マンで定年になった人物がいた。声をかけてみると手伝ってくれると言う。この方、もともと車両整備をしていた技術者。それなら間違いなく問題ないだろうと思った。

*学んだ成果は…?
これで仕入れたエアコン、売れ残す事は無いと確信する。案の定、順調に販売し、在庫はすべて売り切った。家電量販店は、自分の店舗横にあった。しかし、夏本格的な暑さともなれば、量販店に注文は殺到してしまう。そうなると、どうしても工事日程は遅くなってしまうものだ。

自分でやることで、自社ではすぐに対応できた。そのため、問題なく売切ることができたと言える。そもそも、扱いメーカーや機種は量販店の10分の1ほどだったわけで、お客様としてはあれこれ選ぶことはできない。しかしこの暑さ、待ったなしだった。価格の安さと、すぐに工事してもらえる!これに飛びついたと言える。

*まとめ
それからしばらくすると、近所にエアコン工事人が見つかる。話を聞くと、ひと夏で400万円ほど稼ぐという。「1日6台は工事する!」と豪語していた。それ以降は、この方に全てを任せることとする。エアコン工事、ひと夏で10キロほど体重が落ちるというのだ。稼ぎはするが、かなり過酷な仕事といえるだろう。

ただ、自分の家のエアコン。今でもすべて自分で取付けている。ウェブ検索で一番安いものを探せば、あとは自分で工事すればいい。自分でやるから、工事もかなり丁寧なものとなる。エアコン工事人は、ある意味「水商売」とも言えるようだ。というのも、夏場以外、これといった定職がないこと。また、量販店の仕事は歩合を取られ見入りが少ないということがある。自分のところでは工事人に丸投げし、工事手数料の全てをこの工事人に渡した。だからこそ、わずかな仕事でも引き受けてくれたようだ。かなり大変な夏だったが、懐かしい記憶でもある。

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