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歴史教科書が変わったことで困ることとは?

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新しい事実がわかると、当然のこと教科書は変わる。これは理解できるが、外国人の人名、その呼び方(表記)を変えるのはどうなのだろうか?習った年代によって話が通じなくなってしまう。ただでさえ世代間格差があるのだから、なるべくは変更して欲しくないと言うのが偽らざるところだ。

*呼び方が変わった米国大統領?
リンカーンとルーズベルト、このニ名の呼び方・表記が変更となった。リンカーンは「リンカン」、そしてルーズベルトは「ローズベルト」である。この2人に加え、ジョージ・ワシントンを足せば、米国大統領三傑となるようだ。これは想像だが、アメリカ人にとって彼らは英雄。その呼び方が違っているのは許せない!との思いから、日本へ申し出たのではないだろうか。

それぞれのスペルを見てみると、「Lincoln」と「 Roosevelt」。リンカーンでは、アクセントが「カ」に来てしまう。それがリンカンなら、「リ」となり、こちらが正しい。一方、ルーズベルト、ooは本来なら「オウ」と発音するので「ローズベルト」のはず。確かにこの表記・呼び方でなければ外国人には伝わらない。

これに似た話がある。それはいまだ人気の高い女優、オードリー・ヘップバーン。今でも世界で最も美しい女優として知られているが、このヘップバーンとの呼び方では、外国人には伝わらないそうだ。「ヘボン」の方が良いという。スペルから見ると「Hepburn」となり「P」の次が「B」だから、どうしても「プ」と発音しそうだ。

英語では、子音が2つ重なるときには、前の子音は発音しない。例えば「cupboard」、これも「P」のすぐ後「B」となるから、「カ ボード」でPは発音しないのだ。ヘボンと言ったら、ローマ字表記のヘボン式。このヘボンさんとヘップバーンは同じスペルだった。しかし、いまとなってはヘップバーンをヘボンとする事はないと思われる。

*江戸時代の身分制度!
長いこと江戸時代には「士農工商」という身分制度があったと教わってきた。これが2021年に変更となり、教科書から消えたという。そもそも学者の間でもこれが身分制度ではないと主張してきた人たちがいたらしい。確かに変更前の教科書「詳説 日本史B」山川出版社(2006年)を見ると、江戸時の身分制度の説明があり、その最後に「こうした身分制度を士農工商と呼ぶことがある」と明言を避けている。

そもそも身分とは、生まれ育った家の格式により、経済的・社会的・政治的位置が決められると言うことだ。これにより課税や役務がきめられる。江戸期に社会が安定することで、平農分離となり、城の周りには城下町が整備された。そこに武士と町人が住んだことで、身分が生まれたと言う。町人は「商人」と「職人」に分けられる。士農工商は、身分制度ではなく、ただ「職」を表したものに過ぎない。

そもそもそんな画一的な仕組みにはなっていなかったようだ。江戸期においても、農業しながら酒造りや養蚕、鍛治をやっていた「農間渡世(のうかんとせい)」の人々が多くいたのだ。また、武士といっても、城下町に屋敷を構えるが、農村にも屋敷を持っていた人々もいた。彼らは農業もやっていたと言う。

*鎌倉幕府の成立はいつ?
ほとんどの人は「イイクニつくろう鎌倉幕府」と覚えたと思う。つまり1192年に鎌倉幕府は成立したと記憶したはずだ。これが2012年に「鎌倉幕府は1185年成立」に変わった。1192年とは源頼朝が征夷大将軍になった年。一方、1185年は、頼朝が、諸国の守護や地頭を任命する権利や、税の徴収そして各地に実権を握る官人をおく権利を得たことによる。

しかし、まだ学者がにおいて、研究がなされ、結論が出たわけではない。それよりも私としては、1221年の「承久の乱」に注目する。完全に武家政権が、日本を支配した年だからだ。この戦さにより、朝廷は政治の舞台から引きずり下ろされた。

*まとめ
外国人の名称変更には反対する。誰のことを言っているのかわからなくなるからだ。不思議なのは同じ漢字圏の中国人を、日本では勝手な読み方をしていること。これがまかり通るのは、当の中国人が文句を言わないためだろう。もし何か言ってきたとしたら変わるはずだ。

日本も世界では「ジャパン」とされている。あえて「ニッポン」や「ニホン」にしようとは考えないようだ。すでに世界中で知れ渡った表記である。変えることによるデメリットはあっても、メリットは全くないと言うことだろう。

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