プロ野球界からタレントへ!その先駆者、坂東英二。現在(2024年)消息不明とは?
#人物伝 #坂東英二
#満州引揚げ者 #プロ野球選手
#マルチタレント
たぶんスポーツ界で活躍した人物が、その後タレントや俳優としてブレイクした先駆けだったのではないだろうか。坂東英二というキャラクターには誰もが驚きの目で見ていたはずだ。私がよく観ていた番組は、TBSの『世界ふしぎ発見』。なんとも気取らない姿に好感が持てた。この10年以上まったく顔を見ていない。するとウェブ上に「消息不明」とある。どういうことか調べてみた。
*中国東北部、満州国引揚げ者!
マルチな才能のをもった坂東英二、出身をみると旧満州国だと言う。生まれた年が1940年というから、終戦時は5歳。この年齢の子供、日本に戻れたものは少なかったようだ。相当な苦労があったと思われる。しかし日本に着いてからも生活は困窮したはず。坂東英二のバイタリティーは、そんなところから出てきたのだろう。
徳島県の坂東中学2年生のときから、野球を始めたようだ。するとすぐに頭角をあらわす。3年生の時にはピッチャーとなり61連勝もしたと言う。そして徳島商業高校に入り、夏の甲子園にも出場、準優勝ピッチャーとして全国にその名が知れ渡った。
*プロ野球選手としては?
やはり金には困っていたようだ。慶応大学に入れたのだが、それを断り、プロ野球選手となった。チームは中日ドラゴンズ。入団契約金は1億円以上だったが、なんと父がその金すべてを持ち逃げしたという。父自身も金に困っていたのだろうが、坂東英二と実家との関係はこれ以降疎遠になった。
1959年から1969年までの11年間で、成績は「77勝65敗」だった。通算防御率2.89。堂々、エース級のピッチャーと言っていい。もし1968年に肘の怪我がなければ、もう5年は最低でも投げれていたかもしれない。すごい投手だったことに間違いないようだ。
驚くのは、プロ野球選手をしながらも事業をやっていたことだ。なんとサウナ風呂を経営していたらしい。本人が言うには、試合の当番日その直前まで、店舗の準備をしていたとのこと。幼いときの貧困が彼をそうさせたようだ。納得できる気がする。
*プロ野球引退後の芸能活動!
中日ドラゴンズからは「スカウト」にならないかとの誘いがあったようだが、坂東英二が選んだのは芸能活動だった。とにかく話が面白い。そしてなんとも軽妙でもある。当初はプロ野球解説者だったが、タレントとして各テレビ局から引っ張り出されたようだ。
坂東英二の凄さは、俳優となってからも世間に認められたこと。とくにその知名度を上げたのは、1984年のテレビドラマ「金曜日の妻たち」。あの一世を風靡した不倫ドラマ「金妻」だった。以後は映画『あうん』や『四十七人の刺客』『鉄道員(ぽっぽや)』で、高倉健とも共演している。
俳優業をしながらも、テレビのMCをいくつもこなしたのだ。関西で放送された「ノンストップゲーム」や「マジカル頭脳パワー!」「スーパークイズ、スペシャル」などなど。各テレビ局でも引っ張りダコの状態なほどの人気があった。
*所得隠しで芸能活動休止!
坂東英二は、1988年に国税庁の確定申告PRポスターのキャラクターになっている。2007年には国税庁から感謝状も送られたと言う。そんな坂東英治だったが、坂東の個人事務所「オフィスメイワーク」に、名古屋国税局が税務調査にはいった。これは2012年暮れの事だ。地方税務署ではなく、国税局がはいったという事は、そうとう悪質と見られたということ。申告漏れ総額は、7500万円だったと言う。
これにより全国各地のテレビ局は、坂東英二関係の番組をすべて打ち切りとする。この事件により、坂東は芸能世界から完全に干されてしまう。2014年に、吉本興業の所属とはなったが仕事はかなり少なくなったと見られる。
*坂東英二、消息不明とは?
吉本興業とは、2018年3月で契約を解除。これ以降はラジオ番組でメインパーソナリティーをおこなっていたが、2020年7月22日毎日放送でのレギュラー番組収録に現れなかった。番組プロデューサーによると、7月半ばに大阪の自宅近所で転倒。頭を強打して総合病院に入院したという。
これ以降、大阪の自宅を引き払い、東京にいる娘の自宅へ転居したとのこと。この時ちょうどコロナ禍となっていたため、活動を自粛したと思われる。本人の弁では「生涯現役」としているが、たぶん体調の関係で表に出てこないようだ。
*まとめ
満州国引揚げ者、坂東英二にとって「金を稼ぐこと」は何より大事だったのだろう。所得隠しも、彼のそんな生い立ちから生まれたものと思える。陽気なキャラだっただけに残念でならない。実の父による金の持ち逃げにより、親族との仲は疎遠となっているため、報道では消息がわからないとされている。
現在(2024年)、84歳になっている坂東英二。元気で暮らしていることを願っている。またもし可能であれば、テレビ画面やYouTubeにでもまた顔を出してほしい。そんな思いだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?