『都道府県格差』から、学べきこととは?
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全国47都道府県での比較、いちばん気になるのが『幸福度』である。さまざまな指標から総合しての幸福度ランキングだが、最も高かったのは福井県で、最下位は高知県だった。ただ気をつけてもらいたいのは、高知県に住む人が不幸ということではないという事。あくまで総合指数から算出したものだ。
*誇れる高知県、その良さとは?
なんといっても森林の多さは、全国第一位である。高知県では少し移動するだけで、緑を目にすることができる。また、病院数や学校・神社の数も全国一多いという。ということは、それだけこれらの施設に従事している人も多いということである。人柄もいいとされる。男は「いごっそう」と呼ばれ、頑固で気骨があり、女性も「はちきん」と呼ばれていると言う。女性は白黒ハッキリつけ、気がつよく働き者でもある。
歴史に目をうつすと、日本を動かした人物が相当数いた。坂本龍馬や中岡慎太郎、そして板垣退助である。板垣は土佐藩の武士で、明治維新以降は自由民権運動を引っ張った人物。「国会を創った男」とも呼ばれている。戦後、日本復興をすすめた首相、吉田茂の父親は板垣の盟友でもある。
カヌー好きの私にとっても、四国は一度は暮らしたい場所でもある。四万十川(しまんとかわ)に惚れ込んでいるのだ。この川には未だこの川だけで生計をたてている川漁師が30人ほどいる。天然物の鮎やウナギ、青ノリなどが豊富に獲れるという。
*高知県、幸福度が低い理由?
まず少子高齢化がすすみ、人口の減少がとり沙汰されている。若者が少なくなれば、街は次第に衰退していく。これといった産業があるわけではないので、就職先も少ない。となると、やはり婚姻率も少なくなり、さらに少子化が進んでしまうということだ。
人は誰でも歳を重ねると病気となる。そのうえ高知県では酒豪が多いのだ。また外食での焼肉やハンバーガーを買い求める人も多いという。どちらも支出額は全国ダントツの一位。この飲食も健康には悪いという。
子供にとっての食事の質は、そのまま学力にもつながる。やはり外食が多いのも、子供の学力低下に直結するといっていい。高知県の中学生の学力は、ワーストに入っている。また校内暴力も全国平均よりかなり多いようだ。これらを総合することで、幸福度ワースト1位となった。
*幸福度ランキング第1位は?
ズバリそれは福井県である。福井は地場産業が発展しており、高校生の就職率は100% (全国第1位)。そして何より親族のつながりが強いということがある。3世代同居や親の近くに住む人たちも多い。これにより子育ても自分の親に任せるということになる。
仕事に追われる世代ではなく、祖父祖母が子供たちを教育する福井県。これにより、子供への十分な大人の目が注がれることになる。それだけ学力は上がり、非行に走ることもなくなるのだ。学力も全国ベスト1位、校内暴力についても日本一少ない。(2012年から2022年)
*本当の幸福は、指標とは別!
気をつけて欲しいのは、福井県の幸福度がナンバーワンだからといって、県民だれもが幸福だということではないという事。外部から幸福と見えても、本人にとってはなんら意味は無いのだ。ここを間違わないで欲しい。「幸福」とは、あくまで本人の気持ち如何である。
社会的地位があり、衣食住に恵まれ、安定した収入があるとしても、幸福ではない人たちがいる。もちろん相対的にはあった方が良いことは確かだ。しかし、幸福は、人とのつながりや、社会的な貢献活動、そして健康によって高くなっていくものだ。他人への感謝の心をもち、地域社会への貢献をおこない、主体的に小さな目標に向かい進んでいくことで得られるともいえる。
また気持ちとしては、「何とかなる」という楽観思想をもち、自分のダメな部分も許容してあげることが大事。つまり幸福はたんなる指標では計り得ないということだ。自分が自分を愛する!その気持ちこそ、幸福への道となる。
*まとめ
日本では失われた30年のうちに、貧困世帯が多くなったことは事実である。しかし、考え方次第では、低所得でも幸福にはなり得るのだ。若い世代はもっと祖父母の力を借りるべきと言えるだろう。福井県はそれを見事におこなっている。そんなところを見ると、実質的な幸福度も高いと見ていいようだ。国の政治においても、福井モデルから学ぶべきことはあるのではないだろうか?