令和の米不足、その理由はなにか?これを考えてみる!
#米不足 #米騒動
#食料安保 #コクゾウムシ
いま(2024年8月)、スーパーの米売り場、その棚を見るとガラガラ。これって不思議としか言いようがない。昨年(2023)、全国での米の作況は「平年並み」だった。しかも我々日本人の米離れは加速化している。どう見てもこれはオカシイと言えるのではないか?その辺りのことを、今回は見ていこうと思う。
*米は主食用だけではない!
米の用途は、主食だけでなく、加工食品にも使われている。お菓子や酒などだが、その他に業務用もあり、主食用とはちがう流通ルートや価格で売られているようだ。主食用に限ると、昨年(23)年は、前年比1.4%減の661万トンだった。農林水産省によると、同省が見積もる適正生産量よりも8万トン少なかったと言う。
という事は、平年とさほど変わらないということだ。一方で、その需要量を見ると、2023年7月から2020年6月までで681万トンほど(日経新聞の記事)。つまり生産量は20万トンほど少なかった。だが備蓄というものがある。これは国内で200万トン以上もあるのだ。これで少なくなるという理由にはならないだろう。
コロナ禍のなかで外食産業や宿泊施設で提供される米は、だいぶダブついていた。それがコロナあけとなり、インバウンド需要(海外からの観光客)が大幅に増え、需要が増したことにある。しかしこれはおもに業務用の米だ。という事はこれが理由にはならないのでは?
ないか。
*2018年まで続いた生産調整!
国は米作り農家にたいし、2018年まで一貫して生産を抑えるようにしてきた。これにより需給は均衡することになり、備蓄米も一定に保たれたという経緯がある。その後に発生したコロナ禍により、農家自らが生産量を調整したようだ。
だから、それ以降も備蓄米が増えなかった。過去に起きた米の大凶作、1993年(平成5年)に、前年比74%の収穫量だったため、日本人の食べる米がなくなり、国はあわてて中国やタイなどから緊急輸入したのだ。そのとき入ってきた米は、主にインディカ米で、多くの国民はそのまずさに嘆いたと言う。
この凶作でわかる事は、わずか26%の収穫減でも米がなくなってしまうということだ。それほどに米という主食は微妙なものと言える。さらにいえば、日本と海外が同時に凶作ともなれば、我々の食べ物はなくなってしまうということ、そんなことが言えるだろう。それほど、日本人は薄い氷の上を歩いていることがわかる。
*流通の問題に着目!
スーパーの米売場に並んでいる主食用の米。その精米日を見ると、当月のものか!前月のものか!である。米といえども確実にすべて売切るのは難しい。これが実態だ。という事は値引きして見切るか?問屋に返品するか?廃棄するか?それしかない。日本の商慣習ではどうも返品するようだ。
問屋としても、引き取ったものを全てさばかなくてはいけない。すると大方は業務用に回されると言う。この仕組みに問題があった。農水省は主食用と業務用を別々にカウントしているが、実際にはどうも混ざり合うといえる。これはほぼ通年にわたり行われていることだ。だとすると主食用として生産されたものが、直接業務用になったとしてもおかしくないだろう。
米はその管理はけっこう難しい食品といえる。とくに夏場が問題だ。気温15度もなるとコクゾウムシが孵化する。そうなると、売り物にはならない。そこで精米から1ヵ月くらいのものを販売することになるようだ。だがこの虫が孵化するというのは、米にクスリが混じっていない証拠。また仮にこのムシを食べても全く害にはならない。
多くの人は、虫が発生すると気持ち悪いと思う。これを防ぐには、小分けして冷蔵庫で保管することだ。また、虫がもし湧いてしまったなら、ボールに水を貯め、水で手洗いすれば表面に浮いてくるから、それを捨てればいい。こんな知識も自分の子には教えてあげよう。
*米不足の原因その結論は?
やはり、コロナ禍が終わり、業務用の需要が急に増えたことにあったと思われる。日本においては米の需給がほぼ均衡しているため、わずかな変化にも対応できないというのが実情と言えるようだ。もっと備蓄してほしいとも思うが、やはり管理には相当なコストがかかってしまう。
国民の米離れ、戦後一貫して日本人は米を食べなくなった。だが、この米こそ健康的な食品だ。小麦は粉しなければ食べられない。一方、米は粒のまま食べられる食品と言える。この「粒食」こそ、血糖値を上げにくい食品。しかも価格の安さも魅力的と言えるだろう。我々はもっと米という食品を見直すべきだと言えるのではないか。
*まとめ
今からわずか79年前、日本人は戦争の中にいた。多くの人はほとんど米を食べられなかったのだ。現在は飽食の時代と言われている。しかし、実態はいざ有事ともなれば食料がなくなってしまうのだ。日本最大の仮想的国は中国。だが日本人の食べているものの多くは、この中国から入ってきている。国は国防費過去最大7.7兆円を計上した。本当の国防とは、国民を飢えさせないことにあると考えるが、いかがなものだろう。
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