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科学の目でみた「ガン」という病い。老化病ともいわれるが…。

#サイエンス #科学 #ガン
#癌 #老化 #加齢  
100年前、人々は癌を怖い病気とは思っていなかった。今でいう肺炎に似ているということだ。肺炎は、死亡原因の第5位。しかし我々のほとんどはこの肺炎で死ぬとは思っていない。

この100年で、人類の寿命は大幅にのびた。以前は、人生60年と言っていた。戦国時代は50年も生きれば、寿命を全うしたと思っていたはず…。しかし、今現在70歳をこし、80歳以上になろうとしている。このことが、癌になる確率を上げたということだ。現在死因の第1位となっている。

今世紀になって、科学雑誌『セル』に、ガンについての論文が発表にされた。そこには、がん細胞がもつ、特徴的な6つの性質を列記している。
⑴外部物質の指示なしに、自分で勝手に成長する!
⑵とどまることを知らないほど、分裂を繰りかえす
⑶ガンの成長を止める、あらゆるシグナルを無視する!
⑷体をだまし、新たな血管をつくり、自らに供給する!!
⑸体の他の部位に、どんどん広がっていく。
⑹自然死(アポトーシス)する事は無い。

ガンというのは、自分の体にある細胞が自分自身を死に向かわせるということ。ところが、このガン細胞は限りなく増殖するということ以外は、正常の細胞と全く変わりがない。ここにこの本質があった。

正常細胞と同じにみえるということは、体の防御反応も時々見逃してしまうということになる。またガンはある大きさになるまで、全く痛くない。一定の大きさにまで成長して、神経を圧迫するようになって、初めて違和感がでてきて、気づくのだ。

1センチ× 1センチ× 1センチの大きさになるまで、10年かかって成長するものもあるという。仮に、そのがんを取り除いたとしても、潜伏細胞を残していて、数年後に再び病魔が襲ってくるかもしれない。かなり厄介なものといえる。

*癌は、200種以上の病気
例えば、骨髄異形成症候群の1つ「白血病」。これは、骨髄の幹細胞に異常をきたして起きるもの。異常な造血細胞が増えて、正常な造血を阻害してしまう。そのことにより、赤血球が減少したり、逆に白血球が増えたり、幼若な芽球が出てしまう病気だ。

ただ、大まかにいえば、ガンの80%は上皮細胞にできる。すなわち、皮膚や各器官の上皮を作る細胞に生じるものだ。この上皮細胞は、頻繁に分裂を繰りかえすため、ガン化しやすいと言われている。
癌は、様々なものがあるため、その進行速度や治療法、予後の対応はそれぞれ異なってくる。

*ガンと老化との関係
ガンと関わりが深いのが、加齢だ。歳をとるとともに、ガンにかかるリスクが上がってくる。40歳までにガンになる確率は、男性で100人に1.5人。女性で2人だと言う。それが60歳を超えると、男性で34人、女性で25人にもなる。

*生活習慣との関わり、
過度に摂りすぎる食事、飲酒、喫煙、質の悪い睡眠との関わりはおおきい。とくに肥満はいけないという。全米に、3400所の支部をもつ「アメリカ癌協会」の調べでは、食道.胃.大腸.前立腺.肝臓.膵臓.乳房.子宮…つまりほぼすべての部位のガン確率を上げるということを報告している。

*環境中の化学物質
例えば、建材に使われてきたアスベスト(石綿)。以前は、当たり前のように使われていた。しかし、肺がん.悪性中皮腫の発症にかなり関係があることがわかり、現在は使われていない。しかも、国はアスベスト被害を受けた人にたいし、最大1300万円を補償している。

今世界では、8万種以上の化学物質が毎日作られている。その中で、人への影響を調べたのは、14から15%だけと言う。以前、私も仕事で家具を扱っていた。この家具をに含まれる有機溶剤のせいで、ハウスシック症候群になってしまった。この影響はいつか出るのでは?と不安が尽きない。

*ガンの新しい研究
ガンは、老化病の一つと最近では見られている。人は歳とともに老化細胞が増える。そして増えた老化細胞は炎症物質を放出。それが、正常細胞を傷つけ、ガン化するという流れだ。

この老化細胞を取りのぞく研究が進んでいるという。ノーベル賞をとった本庶佑博士の「免疫チェックポイント阻害剤」は、ガン治療に使われている薬剤だが、老化物質を取りのぞく効果もあるようだ。だとすると、人の寿命はさらに伸びる可能性もでてきた。

まとめ、
動物の世界では、老化しない種がいる。クジラ.象.ハダカデバネズミ。これらには老化細胞が無いそうだ。したがって、当然のこと、ガンにもならない。人でも、この老化細胞を除去できれば、癌にかからない時代が来るかもしれない。

いつになるかは、わからないが、ある研究者によると「もう間近まで迫っている!」と言っていた。この研究に期待したいと思う。

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