ビジネス研究、『リユース業界』について!
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仕事をやるなかで、父は「古物商」の免許をとった。自衛隊を定年退職してはじめた商売。親族が卸やっていた関係で、さまざまな業界人と知りあった。その中にひとり、古物商をやっていた実業家がいて、勧められるがままに取得したのだ。ビジネスではさほどの利益にはならなかったが、息子の自分もやる羽目になった。ただ以前も書いたが、本業の業界そのものが消滅。ビジネスから退くこととなる。
*リユース業界の現状とは?
日本は1990年代前半のバブル崩壊により、経済は停滞した。そのうえ、米国からの圧力により規制緩和を進めたことで、いくつかの業界が潰れていく。また国もこれという対策を打ち出せず、その後は現在に至るまで経済は上向かない。人々の収入は増えず、日々苦しくなるばかりである。
リユース業界が成長しているというのも、そういった影響があるというわけだ。昨年(2023年)には、リユースの規模は3兆円を越した。内訳を見ると、店頭販売が1兆1千億円、ウェブ販売は6千億円、そして個人間取引(Web)が1兆1千億円とされる。ここに海外の業者への販売(卸)は含まれない。
日本全国民が所有している「モノ資産」、なんと216兆円もある。これが行く行くはリユースに流れるという。それはそうだ!新しいものを買うには、古いものを処分するしかない。そうなれば捨てるか?売るか?である。財布に優しいのは売ることだ。
*そもそもリユースとは何か?
ヒトが店頭で真新しいモノを買う。だが、要らなくなれば処分しなくてはならない。「捨てる」でもいいが、業者に売るという選択、または個人間で売買する方がよい。捨てれば単なるゴミとなるが、また人の手に渡れば使ってもらえるのだ。我々の生活は限られた資源のうちに成り立っている。持続する社会を考えたら、再利用すなわちリユースが良いのだ。
循環型社会は、3Rでまわっていると言う。リユース、リデュース、リサイクル。リデュースは「ゴミの発生を減らし、消費を減らす行動」であり、リサイクルは「資源の再利用」を意味する。リユースでそのまま再利用できれば、これがいちばん良いのだ。このビジネス、地味ではあるが、社会貢献ビジネスと言ってもいいはず。
ヒトがモノを購入すれば「古物」(こぶつ)となる。未開封でも未使用でも同じ。リユース業者は、買い取ったものをメンテナンスして売り出すのだ。ただし、既に大きなマーケットとなっている車や住宅は含まれない。
*売上げ規模、上位3社は?
この上位3社の合計は、およそ4600 億円となるようだ。この業界、新規参入も多いが、撤退するところもかなり出ていると言う。
第一位は、ゲオホールディングス。愛知県名古屋市のレンタルビデオ店が発祥で、昨年の売上げはおよそ2400億円だと言う。その後、中古ゲームソフトの売買を始め、総合リユースを始めた。店舗名は「セカンドストリート」。米国、台湾、マレーシアにも出店している。
第二位、コメ兵ホールディングス。「コメひょー」の名称は、米屋からとったと言われる。こちらも愛知県名古屋市から始めた古着屋がその母体。1947年創業というから、歴史は古い。店舗名は「KOMEHYO」と「BRAND OFF」である。売上げは約1200億円(2023年)。
第3位が、ブックオフホールディングス。こちらは1990年創業の古本屋。翌1991年からはフランチャイズチェーン展開を始めている。神奈川県相模原市が第1号店で、売上げはおおよそ1千億円。近年は郊外型の総合リユース店を増やしているという。
*まとめ
近年やたらと電話がかかってくる。「何でも買います!」 「何か売るものはないですか?」と……。その都度、もう全部売って家に残っているものはない!そう答えている。テレビでも、リユース業者のCMはひっきりなし。まぁそれだけ激戦となっているのだろう。
つい最近、テレ東カンブリア宮殿でやっていたのが「買いクル」。ここの社長、まず考えたのは海外への売り先確保だった。1年間、東南アジアにゆき提携業者を見つけたと言う。確かにこの方法は名案だった。日本製品は多少壊れていても喜ばれるのだ。これならどんなものでも買い取ることができる。これを武器にフランチャイズチェーン展開をして急成長をしたという話だった。このリユース業、ますます伸びていくので目が離せないと思う。