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私の中の星野源

私が星野源という存在を初めて知ったとき、私は彼がミュージシャンであることを知らなかった。

というのも彼を初めて見たのはNHKで放送されていた「LIFE!~人生に捧げるコント~」であった。サブタイトルにもあるようにコント番組であり内村光良をはじめとした田中直樹、塚地武雅というお笑い芸人と俳優らがコントをやるといった番組だ。私が見ていた頃の「LIFE」は若手俳優の枠で星野源、臼田あさ美、石橋杏奈、ムロツヨシが出演していた。
ベテラン俳優枠もあり西田尚美も出演していた。
後の方では吉田羊もいたと思う。
今となっては凄いメンツだった。

なにか面白い番組やっていないかという感覚でチャンネルを徘徊してると
たまたま「LIFE」が放送されておりそのときに見たのが コント:「妖怪どうしたろうかしゃん」である。
これが面白く「LIFE」にハマるきっかけになった。

「妖怪どうしたろうかしゃん」(演:ムロツヨシ)は人を怖がらせたいが方法が分からないので相手の指示を待ってしまうという妖怪である。
「どうしてやろうか!どうしてやろうか!」と意気揚々と登場するのはいいが何もせず相手の指示に「じゃあそうしてやろうか!」と従ってしまう。

このコントには青年2人(星野源、石橋杏奈)が登場する。序盤はどうしたろうかしゃんに恐れるものの、このシステムに気づくと一変。
奪われたスマホを返して貰ったり、寝袋をひいてもらうなどこき使った後アドリブを持ちかける。
例えば美川憲一やマイケルジャクソンのモノマネをしろなどだ。
この無理なアドリブにどうしたろうかしゃんは従い地獄の空気のまま帰らせられる。といったコント。

私と「LIFE」、「星野源」との出会いはどうしたろうかしゃんからだった。
このため彼のことを全く知らない私は「星野源」という男は面白い俳優なんだと認識した。
星野源はこのコントにおけるメインではないがどことなく安心感のある声と明らかに好青年という印象が残った。
だがそれに加えて不思議な人にも思えた。
ずば抜けた何かが見えるわけではないのに彼の見えない何かに惹かれてしまうようなそんな不思議な感覚だった。

左から石橋杏奈、星野源、ムロツヨシ


当時の私は中学生でスマートフォンは持っておらずインターネットを使う環境にもいなかった。
なので彼が本当は何者であるのか知る術はなく私の中で星野源は面白俳優という印象だけが1年から2年ほど残り続けた。

しばらくが経ち星野源をミュージシャンと認識する機会があった。
LIFEではコント間で個人を面白おかしく深掘りするコーナーが存在した。
そのコーナーの星野源を深掘りする回で聴いたのが確か「くだらないのなかに」だった。背景に映るアー写がモノクロだったと思うので多分これだろう。(くせのうただったかもしれない)

この時初めて彼の歌を聴いた。衝撃だった。
当時の私は俳優が歌う歌というものはミュージシャンが歌うそれとは違うものとして捉えていた。(もちろん良いものはあるが)

当然だがそれを星野源は覆した。
こんなに良い歌を歌えるのかこの人。
そう思った。と同時に約1年から2年この人を番組で見てきてこの人なら確かになと納得もした。

このとき私は初めて星野源をミュージシャンでもあるのだと認識した。

それから近いうちに星野源が4thアルバム「YELLOW DANCER」をリリースした。


私は近くにあるレンタルCDショップに向かう。
その頃の私は学校やテレビで流れていた曲しか知らず音楽自体にもそこまで興味がなかったため、誰かの新譜(しかもアルバム)を聴くために自らCDショップに行ったのは初めての経験であった。
入ったそこにYELLOW DANCERは置いてあった。(今考えると星野源ぐらいの人じゃないと新譜を置いてないだろうし当時から人気があってほんとに良かった)

私は借りてきたアルバムを見て「へー、アルバムってこんな感じなんだ」などと思いながら母のパソコンに取り込んでもらい買ってもらったiPodに音源を移した。
こういう作業も今考えると初めてのことであった。

当時の私は音楽に全く詳しくない。というか興味が薄かった。
私が中学生の頃は学校やテレビで流れていた曲が私が認識していた音楽だった。(しかも有名も有名どこでサビも少ししか知らないみたいな)
こういう曲も知ってる曲ということで私のiPodに取り込んでいたのだがそれらの曲とどこか違う星野源の曲は色濃く私の耳に刻まれた。

「なるほど、この人の本業ミュージシャンだったのか」
ここでやっと認識が逆転した。

このイントロにどれだけ惹き込まれたか。
今でも星野源の好きな曲は?と聞かれると間違いなくこの曲をあげる。
全てが良い。大好きだ。

このアルバムには
「時よ」「SUN」「桜の森」「Crazy Crazy」
「Friend Ship」などあげだしたらキリがないが名曲がたくさん詰まっていた。
歌詞の意味や複雑な音楽要素は分からない部分があるがPOPに仕上げられた曲たちはとても聴きやすくて何度も何度も聴いていた。

このアルバムを何周もするうちに少しずつではあるが音楽そのものに興味も湧いてくるようになった。
見られるときはMステを見たり
CSのスペースシャワーTVだったか、オリコンのランキングみたいなのを流している番組をたまに見たりするようにもなった。

ランキングを見てるとSUNが流れた。
ここで初めて星野源が既に知名度を得ていること、人気アーティストであることを知った。
中学の中で私しか知らないんじゃないかと思っていたので少し恥ずかしかった。

それでも私の周りに星野源を知る人はいなかったので私は星野源の曲を友人に勧めると共にLIFEも勧めた。
その頃勧めてた星野源が主役のコントで大人気の名作コントシリーズがある。
それが「うそ太郎」と「オモえもん」である。
大好きな2作なので紹介する。

うそ太郎


寿司屋の大将のもとで働く弟子 太郎。
「すいやせん、嘘つきやした!」が口癖であり
嘘ばっかりつくので大将からうそ太郎と呼ばれている。
鼻横の大きなホクロがチャーミングで常にニヤケ顔だが大将と客の会話には興味がないのか2人で話しているときには虚無の表情になったりする。
「自分は腕が良いので寿司が握れやす!」と握れないのに嘘をつきお持ち帰りの寿司セットにミニカーを詰めるなど、うそ太郎は嘘ばっかりつくのですぐ客を怒らせるが大将がかばってくれる。
面白いコントだがこの関係性が微笑ましかったりする。


オモえもん


ドラえもんのオマージュ。
名前のオモは重たいのオモであり、発言、行動全てが重たい。愛ゆえに。
のび太的立ち位置のさとし君にGPSを渡し
「これでいつでも君の居場所が分かるよ」などという重さだ。
さとし君がなんでこんな物を持たなきゃならないのかなどと言おうものならものすごい剣幕と言葉数でねじ伏せてくる。
ただこれに嫌気が差したさとし君が「重いんだよ・・・」と言うと不貞腐れる。とことんめんどくさいキャラだ。
さとし君に対するねじ曲がった重すぎる愛が楽しめるコント。
こちらLIFEもかなり自信作のようでオモえもんだけの特番が組まれたこともある。
かなりオススメのコントだ。


この後星野源はドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」に出演し主題歌の「恋」また「恋ダンス」が大流行してその知名度を国民的なものにした。
そして仕事量が急激に増えたのか、彼はLIFEから卒業することになった。
彼と同時期にコントをやってた若手俳優枠の皆もLIFEから卒業していった。(ムロツヨシは残った)
これまで認知していなかっただけかもしれないがそこいた皆はよくテレビで見るようになった。
正直ムロツヨシがあんな売れると思ってなかった。
みんな活躍してて凄いなと思うしあの時のLIFEをリアルタイムで終えてたことが嬉しい。

やはり今振り返ってみると星野源という人物への出会い方としてはなかなか変な出会い方をした。
だが、毎週木曜夜10時から楽しみに見ていたLIFEの中にいた星野源を見続けたことでミュージシャンとしての彼ではないもっとラフな部分、人間性がよく見れたと思う。
もちろん今でも彼の作る音楽は大好きだ。
だがその前提として私は星野源という1人の不思議な人間に惚れたのだと思う。

こんな出会い方も悪くないかもしれない。


紹介した以外にも「LIFE」には面白いコントが多数ある。
私は主にseason2~4辺りを見ておりYouTubeやTikTokなどにあげている方もいるので気になったら見てみてほしい。

有名どころばっかですがよければ


読んで頂いてありがとうございました!

追記:このnoteですけれどその頃を全て追えてる訳では無いし朧気な記憶で書いたので時系列のズレとかは許して~


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