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(あらすじと第一話)ハルとアキの異世界リトーヌア王国

(あらすじ)
内気でインドア派のハルと活発でスポーツ万能のアキは、兄妹仲良くゲームをしていると、突然ゲームの中から光輝き異世界へと引きこまれる。
ハルとアキが目を覚ますと、そこには地下の牢屋に捕らえられているウィンター姫と出会う。
神様の使いであるとアリトと一緒にハルとアキはお城からお姫様を救い出す事を誓い合う。
2人は邪悪な獣が支配しているこの国を救い、元の世界へ還れるのだろうか?。
ファンタジーバトルストーリー。


(第一話)『少年少女とお姫様の出逢い』

初夏が気持ちよく吹く暖かい午後に、下校途中の少年が一人。名前をハル。ハルは学校の授業を終え、校舎の前で妹が来るのを待っていた。

「お待たせっ。」と、少女はハルの肩をそっと軽くポンっと叩いた。

少女の名前はアキ。クラスメートと話が盛り上がり少し待ち合わせの時間より遅れてハルの元に着いた。

ハルは「僕も、今来た所だから」と返事をした。アキは、ハルの隣に並んで学校を後にした。

ハルは、口数が少なくあまり感情を出すのが苦手なタイプで、ミステリアスなところがある真面目な少年で、帰宅したらすぐに自分の部屋に入って自分の世界に入り込む。

妹のアキは、人懐っこい性格でハルとは正反対で運動神経も良くスポーツ万能なアウトドアな少女である。

「ハル、今日も家に帰って来たら一緒にゲームをしようね。」
「アキ、勉強しないとまたお母さんに怒られるよ。ちゃんと終わってからじゃないと…。」
ハルが言い終わろうとすると、アキが遮った。
「わかってるよ、いつもハルはお母さんの味方だよね。アキの事、面倒見てますって感じでムカつく。」と、顔の頬を膨らませてハルの背中に数回軽く拳で叩いた。
「アキは、勉強苦手だもんな。この間もテスト勉強を手伝ってあげたし、もう少し勉強頑張りな。」
「はぁ〜い。」と、アキはハルに対して軽く返事をした。

2人は、いつも通りハルとアキが家に帰ってきた。
「ただいま〜。」と、2人は玄関で靴を脱ぎハルは自分の部屋へ行き、アキはリビングのソファーに横になった。

アキは、帰って来てすぐに靴下を脱ぎ捨てあぐらをかきテレビの電源を付けた。
テレビ番組をニュースや情報番組、アニメなど適当に番組を合わせる。そして、テレビを付けたまま近くにあったスマホを取り出しては、YouTubeを見て晩ごはん出来上がるまで過ごしている。

ハルは、自分の部屋に入ってすぐに自分の机に向かいカバンを下ろして、少し疲れた自分の体をベッドに横たわり、天井を見上げたまま瞳を閉じて静かに夜になるまで待った。


「ハル、助けて。そしてこの国を救って…。」
「誰?今、僕を呼ぶのは?国を救ってって、どう言う事???」
「私の国を救いに来て下さい。」
「はっ⁉︎」
半分意識はあるが、寝ぼけ眼でハルは目が覚めた。

「晩ごはん、出来たわよ。」と、お母さんの声がハルのいる部屋まで聞こえてきた。

「はーい。」

ハルは、お母さんに返事をして一階のリビングに降りてきた。

「ちょっといいか…。」と、アキを隣に座らせた。

「何?何かあったの?」
「さっき『助けて。そしてこの国を救って…。』ってお姫様が言ってる夢を見たんだ。」
「何それ‼︎めちゃ興味ある。何処にあるのそのゲーム?」
アキは、少しテンションが上がった。
「何テンション上がってるんだよ。ただの夢だよ。夢っ。この話は、なし。なぁーし。」
「何だ、面白くないなぁ。まっ、いいやご飯食べようと。」
アキは、スッと立ち上がりキッチンの方に向かって行った。
ハルも立ち上がり、アキの後ろについて行った。

晩ごはんを済ませた2人はリビングでのんびり過ごしていた。

「じゃご飯も食べた事だし…」
突然アキが動き出した。
テレビの周りを烈火の如く動き回り始めた。
ゲーム機本体を机の上に置き、まずアダプターを家の電源に繋ぎ、次にテレビと本体のコードを素早く繋げてここまででものの数分で出来上がった。が、肝心のゲームディスクが見つからない。テレビの周辺を探しても探しても見つからない。焦ったアキは、ハルを呼んだ。

「この間買っておいた最新のゲーム、テレビの横に置いてあったの知らない?。」
「そのゲームは、確かここにあったと思うよ。」
ハルは、テレビ台の横にある収納スペースからゲームディスクを探した。
ハルが、「あったよ。」と、アキに手渡そうとディスクの箱を触れると手に軽くビビッと電気が流れ、少し違和感を感じた。微弱だった為、ハルは気にする事なくアキにディスクの箱を渡した。

アキが、「ありがとっ。」と言うとすぐに箱からディスクを取り出して、ゲーム機のスイッチをONにした。

スイッチをONにしたが、テレビの画面が暗いまま動かない。アキがもう一度スイッチを入れ直そうとした瞬間、テレビの画面から眩い光が『ピカーン』と発光し、ハルとアキはテレビの画面に吸い込まれて行きました。

「アキ、アキ、大丈夫か?」
「う〜ん、大丈夫だよ。アキは?。」
「大丈夫だよ。それよりもここは、何処なんだろう?」

と、ハルはもの陰からスッと一人、ハルたちを見つめる視線を感じた。

「よく来てくれました、ハル。」

テレビゲームで良くみる目筋がシュッとした綺麗な顔立ちで、一目見て分かるくらい上品な女性は、ハルたちに声をかけた。

「あなたは、誰ですか?」と、ハルは女性に尋ねた。

「私の名前は、ウィンターと言います。ここリトーヌア王国を統治していたのですが、突然大魔王シキが現れ、魔物たちがこの国を襲って来たのです。」ウィンター姫は、続けました。
「『この国は、たった今からシキがリトーヌア王国の国王となり、全てが私の思いのままだ。』と言い、リトーヌア国民を苦しめているのです。私も必死に抵抗したので、ここの地下牢に閉じ込められたのです。私は、微弱なオーラを放ち、受けとめてくれる者を探しておりました。」
「あなたがあの夢の中に出てきた女性だったんだ。あの時は、夢だとばかり思っていたから全然分からなかったよ。」と、ハルは少し落ち着いた声になった。

「綺麗な人…。ハルが言っていた人だぁ。わぁ❤️。いやぁ❤️。きゃぁ❤️。うわぁ❤️。」アキは、テンションが上がり、ウィンター姫の顔や体を見回していると、お姫様の後ろに小さな動物が隠れていた。
「おいで、アリト。この子は、アリトって言って、リトーヌア王国の守護天使として代々続いている王位を護る為に大切に育てられ、私たちを守ってくれたの。」
「でも、こんな可愛い動物がどうやって王国を守れるの?。」
と、ウィンター姫が言おうとした瞬間、牢屋の前にネズミの魔物が数匹ハルたち3人を狙って現れた。
すると、アリトが突然光輝き、大きくなり魔物を攻撃し始めた。
「ギャー‼︎」と魔物は一目散にその場から逃げて行きました。
ハルは、少しビビってその場から動けず、アキは大きくなったアリトを見て、「わあー」と、目が輝き興味津々で興奮気味にアリトを見つめた。

「こっちに来て、渡したい物があるの。」と、ウィンター姫がハルとアキを呼んだ。
「ハァー。」と、ウィンター姫の手から光輝くオーラから指輪とピアスが現れた。
「ハルには指輪を、アキにはピアスを…。これには古くから伝わる四聖獣の力が宿してあります。きっと2人の力になってくれます。リトーヌア王国を救って下さい。」
ウィンター姫は、ハルとアキに指輪とピアスを渡し、膝を曲げドレスの裾を持ち深々と頭を下げた。
「わぁー❤️、嬉しいですぅ❤️。ウィンター姫、必ずここから救い出して行きます。」と、アキはピアスを付けてやる気満々である。

ハルは「はぁ。」と、一息溜め息をついた。

「ハル…⁉︎」アキがハルの顔を覗き込むと、ハルは立ち上がり「やるか。」と、指輪を取り真剣な目で言った。

アキは、アリトが戦った周りを見渡すとキラッと小さく光るカギを見つけた。
「これで、ここから出れるんじゃないかな?。」
牢屋の鍵穴に合わせるとカチッと音がして牢屋の扉が開いた。

ハルとアキ、ウィンター姫の肩にアリトを乗せて、意を決して3人は牢屋から出た。

(第二話)ハルとアキの異世界リトーヌア王国|Eiji@kansai Traveler's (note.com)

(第三話)ハルとアキの異世界リトーヌア王国|Eiji@kansai Traveler's (note.com)

(第四話-)ハルとアキの異世界シビクハン王国|eiji@kansai traveler's (note.com)

(第四話-)ハルとアキの異世界シビクハン王国|eiji@kansai traveler's (note.com)


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