見出し画像

公務員しか入居できない「職員住宅」とは?

「職員住宅」という言葉は聞いたことがありますか?
簡単にいうと、民間企業でいう「社宅」です。
ここでは公務員しか入居できない「職員住宅」について説明します。
私は某田舎県の中でもとりわけ僻地地域に異動となった際に、この「職員住宅」にお世話になりました。

1.築年数は古い、家賃は安い、職場からは近い。

「職員住宅」ですが、まず新しいものはほとんどないと考えてください。
昨今の自治体の財政状況や「職員住宅」への入居者の減少などで、自治体によりけりですが、新しいものでも築20年弱はします。
私が入居した「職員住宅」は築40年弱の1DKでした。風呂とトイレはありました。トイレはかろうじて洋式でしたが、風呂は「バランス釜」でした・・・

私は「職員住宅」に入居して初めてお目にかかりました。ガスを開通する時にガス会社の人に点火の仕方を教わりましたが、コツがいるらしく、最初はなかなか点火できず、お湯を使うのに大変苦労しました・・・
と、いうように設備面は本当に期待できません。

ただし、家賃は激安です。立地や間取りなど諸条件によりけりですが、概ね月額1万円~3万円ぐらいで入居が可能です。私の場合、駐車場代(1台分)込で月額1万円もかかりませんでした。
これはとても助かりました。住居費をこれだけ安く抑えられるので、僻地地域での1人暮らしにほんの少し余裕ができました。
しかし、これも最近自治体の歳入確保対策や公務員への厚遇批判もあり、この金額は見直されつつあります。民間の賃貸の金額と実態を合わせるために、家賃の引き上げに踏み切るという話を聞いたことがありました。
また、職員住宅に入居すると、住居手当は支給されません。民間の賃貸よりも安価に入居できるからと思いますが、この家賃が引き上げられるても、住居手当は支給されないので、もしかすると、かえって生活が大変になるかもしれません。

あと、「職員住宅」はたいてい職場から近いことが多いです。入居者には、遠隔地からの異動者もいますが、防災担当部署の職員ももれなく住んでいました。緊急時に勤務先へすぐに参集できるように、とのことだと思います。
私の場合、「職員住宅」から職場まで、自転車で10分ぐらいでした。通勤時間もこれだけ短くできると、朝もギリギリまで寝ていられます。

2.ハウスクリーニングとかってあるの?

結論から言うと、私の「職員住宅」の場合、ありませんでした。
なぜかというと、入居の入れ替え時期が年度末であることが多いからです。
おまけに県職員だと、転居を伴う異動がつきものです。

こんな状況なので、3月31日朝まで前の入居者が住んでいて、3月31日夕方に次の入居者が転居してくる。という状況が生じます。
「職員住宅」への入居は、まさに「綱渡り」です。鍵の受け渡しもその日のうちにやるという感じです。仕事の関係で受け渡しが難しいときは、職場の同僚などを駆使して行います。
そんなこんなで「ハウスクリーニング」なんてできません。前の入居者がどこまで清掃してるか。という次第です。
私の場合、前の入居者様は「あまりお掃除が得意ではなかった」ようでした・・・
しかも、部屋にあった電灯は「自分で設置したし、次の転居先でも使うから。」と入居直前に言われて、撤去されてしまいました。。。
「まあ、電灯ぐらいなくてもなんとかなるっしょ」と思いましたが、日がくれると、電灯がないと寂しいですよね。
僻地地域にある電気屋さんに閉店間際の午後8時前に駆け込みして、その場で電灯をさっさと選んで、すぐに持ち帰って設置しました。

3.共益費とかってあるの?生活に必要な電化製品は?

先ほど、私が入居していた職員住宅の家賃を申し上げましたが、これには共益費は含まれていません。
共益費は年に1回、職員住宅内の会計担当から請求がありました。記憶がおぼろげですが、年によって変動がありました。「年間で5万円~6万円」の請求があったと記憶しています。
なかなかしますね。月額に換算すると、4千円~5千円ぐらいです。共用部分の電気代やガス代、地元自治会への自治会費等も含まれているようだったので、この費用はやむを得ないかなと思っています。
私が入居していた「職員住宅」では、周りの草刈りを職員が自前でやっていましがが、「職員住宅」によっては、範囲も量も多いということで、地元のシルバー人材センターに委託していましたね。その分共益費も高かったと聞いたことがあります。

また、当然ですが、職員住宅には電化製品はありません。冷蔵庫、掃除機、洗濯機、テレビなど、生活に必要な電化製品は備え付けではありません。
しかし、ここで公務員の福利厚生が本領発揮します。
「職員互助会」が「職員住宅」入居者対象に電化製品の貸付事業をしてくれます。当然、無償です。

私の場合、冷蔵庫、掃除機、洗濯機、テレビ、そしてこたつ机まで借りられました。ものによっては、スペックは標準であるものの、最新の電化製品でした。さすがは職員互助会だわ・・・
それなので、極端なこといえば、入居にあたっては、「布団」と「仕事で着る服」さえ持っていけば大丈夫です。私自身もこの制度を利用して、引っ越しは自家用車1台でしました。(他にも荷物があったので、その後実家と「職員住宅」を何回か休日の度に行き来しましたが・・・)

4.結局「職員住宅」に入居したほうがいいのか?

いろいろ書きましたが、結論としては、
・僻地地域で民間の住宅事情が厳しい
・住居費をできるだけ安く抑えたい
・職場から近いほうがいい
・寝ることさえできれば全然OK
・同じような公務員が近くに住んでも気にしない

などの条件があえば、「職員住宅」に住んだほうがいいと思います。
住宅事情がよければ、民間の賃貸の方がいいと思います。住居手当が一定額出るので、それなりに負担が減らせると思います。あと、好きな物件に住めるしね。

以上、長文となりましたが、ご参考までに。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?