市・町・村の違いとは?
突然ですが、あなたが住んでいる街は○○市ですか?それとも△△町ですか?それとも■■村?
超すごくざっくりと説明します。
1.町村はほとんど差がない。
見出しのとおりです。法律上云々ありますが、ほとんど差がありません。行う事務やその範囲はほとんど同じです。強いていうと、人口規模とか市街地の密集具合とかありますが、ほとんど一緒です。
平成の大合併などを経て、村は寧ろ希少価値があるかもしれません。県によっては村がないところもあるそうです。
それなので、その「村」という名前でブランド化や観光に使っている自治体もありますよね。
2.その一方で市と町村は異なる。
市と町村は大きく違いがでます。色々ありますが、最も何が違うというと、市役所は「福祉事務所」を必ず設置しないとなりません。
この「福祉事務所」は福祉行政の事務を行っていますが、その中でかなりウェイトが大きい業務が「生活保護」です。町や村では「福祉事務所」は設置しなくてもいいものです。それなので、町村でこの「福祉事務所」を設置しているのはかなり限られます。詳しくは厚生労働省のホームページをご覧ください。
こちらのページを見ると、町村で福祉事務所を設置しているのは全国でわずか46箇所。町村はもっと数があるのに、わずかにこれだけです。
3.市と町村の決定的な違いは、「生活保護」が実施できるか、できないか。
先ほど、市役所は「福祉事務所」を設置しないといけないと説明しました。また、この「福祉事務所」でしか「生活保護」を実施できません。
よって、市と「福祉事務所」を置かない町村の違いは、「生活保護」を自分たちの役所で「できる」か「できないか」に尽きると思います。
皆様はご存知のことと思いますが、「生活保護」は住民の生活に深く立ち入る行政です。究極のサービス業といっても過言ではありません。
では、「福祉事務所」を置かない町村の「生活保護」って誰がやっているか気になりませんか?
そのような自治体に対しても。当然市と同じ福祉サービスを受けられないとなりません。
それなので、町村に代わって、都道府県が町村の福祉サービスを目的とした「郡部福祉事務所」を設置しています。
町村の住所の前に~~郡とわざわざ書くことはかなりめんどいと思います。郡なんてほとんど使わないのに。と思った人、多数いると思います。ここでは未だに「郡」を使っています。(都道府県によって違いはあります。)
かくいう私も、某田舎県職員ですが、この「郡部福祉事務所」で生活保護のケースワーカーの経験があります。
県の職員って住民と遠いと思っていましたが、こんなに住民と近い、いや近すぎる業務をするとは入庁前は思っても見ませんでした。
辞令交付時に配属を聞いたときも、「県って生活保護すんの?」って思ったぐらいです。
4.県の職員が「生活保護」を行うには・・・
「郡部福祉事務所」で勤務するには、その最前線の窓口の町村の福祉担当課との連携が必要不可欠です。
例えば、生活保護を受給したいと思っている町村の住民の方は、まず、町村の福祉担当課へ行って相談をします。町村の住民の方にとっては、まさか県が生活保護を行っているとは思いませんから、まずは自分たちが住んでいる役場に行きます。
町村の福祉担当課は、生活保護は自分たちの仕事ではないので、そこまで丁寧なヒアリングはなかなかできず、まずは県に連絡します。(中には、がんばって相談業務にのってくださる町村の担当者の方もいました。本当に今でも感謝しております。)
という感じに、どうしても、住民の方との直接のアプローチがしずらいのが「郡部福祉事務所」の欠点です。
細かい住民情報も役場に比べて持っていないので、町村の窓口担当の方との緊密な連携が必要です。
逆にいうと、全く先入観がないという状態で、公平に住民の方に接することができるとも言えますが、どのような人となりなのかがわからないというのは非常に大きな不安要素です。。。
この辺りの話はおいおい。
つまり、市役所は自前で「生活保護」ができる。多くの町村では「県」が生活保護を行っているということです。
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