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【生成AIスケッチ】とハンドスケッチ、創造性の共存。

こんにちは。
30歳で重度の肺気胸を経験し、働き方に「引き算」を導入したデザイナーのタカフミです。
今回は、デザイナーが手を動かすことの大切さについてお話しします。


デザイナーは手を動かして描け

これは私が若手デザイナーに常に伝えている言葉です。

Stable Diffusion、Midjourney、DALL-E、Vizvomなど、驚くべき進化を遂げる生成AI技術。確かにそれらは魅力的なツールです。
しかし、デザイナーとしての本質的な価値は、独自の感性と表現力、そして現場での実践力にあると私は考えています。

15年以上のキャリアを通じて培った経験から、デザインの本質と生成AIの活用について、私の考えを共有させていただきます。

デザイナーの原点を見つめ直す

スケッチを描くことは、単なるアイデアの表現手段ではありません。紙の上を滑る鉛筆の感触、線の強弱、形の均衡。その一つ一つが、デザイナーとしての感性を磨き、技術を育てていきます。
そしてその技術基盤を土台として、一本の線をそこに引いた意味を持たせるのです。デザイナーの引いた線に、「なんとなく」は存在しません

デジタルツールが発達した現代でも、手描きのスケッチが持つ価値は変わりません。むしろ、その重要性は増しているかもしれません。なぜなら、手を動かして描くことは、私たちの創造性の源泉となるからです。

現場で求められる「即応力」

企画者や設計者とのミーティング。その場で即座にアイデアを可視化できる力は、デザイナーにとって何より大切な武器となります。

持ち帰ってPCの準備に時間をかけている時間が惜しい時もあります。素早いスケッチで意図を伝え、その場で議論を深められる
この「即応力」が、デザインの作り込みの時間を確保し、プロジェクトの成否を分けることも少なくありません。

製造現場での指示出しも同様です。その場で描いて手渡せる。この一見アナログな方法こそが、最も効率的なコミュニケーション手段となることがあります。

デジタルツールに頼りすぎると、かえって現場での柔軟な対応力が失われてしまう。そんな経験則を、私は数多くのプロジェクトで学んできました。

生成AIとの創造的な共存

では、生成AIはデザインプロセスにおいて、どのような役割を果たすべきなのでしょうか。

私の考えは明確です。生成AIは「サポートツール」として活用すべきであり、クリエイティブの核心部分を任せるべきではありません。例えば、アイデアの発想が行き詰まった時の視点転換や、スケッチ後の着色作業の効率化。こういった補助的な役割に特化することで、AIは真価を発揮します。

しかし、安易にAIの出力結果に頼ることは避けるべきです。ランダムな生成を繰り返すことは、貴重な時間の浪費になりかねません。また、プロンプトの作成に過度な時間を費やすことも、本末転倒といえるでしょう。

むしろ大切なのは、自分のアイデアをしっかりとスケッチで表現し、それを基盤としてAIを活用すること。そうすることで、AIは私たちの創造性を増幅させるパートナーとなり得るのです。

これからのデザイナーに求められること

生成AI時代のデザイナーに必要なのは、確固たる基礎力と柔軟な適応力です。手を動かし続けることで培われる造形感覚。現場で培われる実践力。そして、新しいツールを効果的に活用する判断力。

これらを バランスよく備えることで、私たちは生成AI時代においても、独自の価値を提供し続けることができるはずです。

技術は進化し続けますが、デザインの本質は変わりません。それは、人の手と心が生み出す、創造性の輝きなのですから。

#デザイン #スタイリング #生成AI #クリエイティブ #デザインプロセス #デザイナーの在り方

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