生成AIが創造性を発揮するために──「余白」と「シンプルな言葉」の力

2024年12月15日 21:10

こんにちは。
30歳で重度の肺気胸を経験し、働き方に「引き算」を導入したデザイナーのタカフミです。
今回は、生成AIにサポートではなく独創性を求めると言う内容です(プロのデザイナー目線で)。ヒントは「余白を活かすこと」と「シンプルな指示」です。

1. 生成AIが「普通の答え」しか出せない理由

生成AIは膨大なデータから「もっとも確からしい答え」を導き出す仕組みです。つまり、入力する指示（プロンプト）が具体的すぎると、AIはその枠内で収まった答えしか返せません。

たとえば、
A：具体的すぎる指示
「未来の働き方をテーマにして、30代女性のECデザイナー向けに、仕事と生活を両立するための心に刺さる一言を20文字以内で提案して。」

B：シンプルな指示
「未来の働き方をテーマに、心に刺さる一言。」

Aは指示が細かく、AIの自由度が制限されています。一方、Bはシンプルな分、AIが持つ創造力が発揮されやすく、意外性のある答えが返ってくる可能性が高いのです。

「余白」とは何か？
クリエイティブな仕事において「余白」とは、あえて埋めずに残しておく部分のことです。絵画やデザインでいう空間のように、文章やアイデアでも「隙間」を残すことで、想像力が広がります。

AIに対しても同じです。
情報をすべて詰め込まず、必要最低限に絞る
AIに「余白」を与え、自由な解釈を促す

結果として、AIはあなたの指示を超えた「予想外の答え」を生み出すことができます。

① 短い言葉で指示を出す
長々と指示を書くのは避け、短い言葉でAIに自由な余地を残します。
例えば「未来の働き方をテーマに、心に刺さる一言。」これだけでもだいぶ短いですが、さらに、

「未来」「働き方」「心に刺さる一言」

シンプルな指示ほど、AIは「隙間」を埋めようと創造力を発揮します。

② 情報を構築する
指示に入れる情報は、マークダウン式で構成する事により、AIの出力結果に意外性が生まれます。

未来
　働き方
　　心に刺さる一言

こうするだけで、AIは構成と空白から意図を考えて独自の視点で表現してくれます。

③ AIの初稿に手を加える
生成AIは完璧な答えを出すわけではありません。むしろ、不完全な初稿こそ価値があります。

最初に出力された答えを「たたき台」として受け取る
違和感のある部分や不完全な部分に自分のアイデアを加える

AIが埋めた「余白」に、あなた自身の視点を重ねることで、より独創的なアウトプットが完成します。

生成AIは「余白」を与えることで自由に発想し、その中に意外性や新しさを見つけることができます。そして、その意外性こそが、私たちにとって新たな発見や創造性の源となるのです。

短い言葉で指示を出す
情報は絞って、余白を残す
AIと共同作業する気持ちで初稿を活かす

この3つを意識するだけで、AIは単なるツールではなく、あなたのクリエイティブな「相棒」として機能し始めます。

生成AIに創造性を発揮させるコツは、短く、シンプルな指示を出し、「余白」を残すことです。そして、その余白を人間であるあなたが埋めていくことで、AIと共に新しい価値を生み出せるのです。

次にAIを使うときは、ぜひ「短い言葉」と「余白の力」を試してみてください。そこから、きっとあなたがまだ見たことのない答えが生まれるはずです。