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season5 1話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)

※season4と連チャンで

『新しい景色、新しい冒険』


1.『新チャンピオンの初仕事』


 season4最終回のCパートの続き、家族とのヨーコのお祝いのシーンから。

(今んところ学校からのお咎めはない。お父さんとお母さんはかみなり落とした後に泣きながらよう帰ってきてくれたって言ってもろうたけど。
 あ、径子お母さんからは揃ってねんごー怒られたか)

 夜、学校に帰ってきて、持たせてもらった料理のタッパーを冷蔵庫に入れていると、ピンポンパンポーン、と呼び出し音。

「ん?」
『生徒の呼び出しです。ヨーコさん、ネモさん、ペパーさん、ボタンさん、クラベル先生がお呼びです。校長室まで来てください。……繰り返します。校長室まで来てください』

 ポンパンポンピーン。放送終わる。

「処分、決定したんかね」
「ピカピ」

 一緒に怒られてやるわよ、という態度のぴっかりさん。

「ありがと」

 ボールに戻し、腹をくくって校長室へ。みんなは先に揃っていた。

「失礼します」
「おっ、主役のご登場か?」

 囃してくれるペパー。

「いやいやみなさんもお揃いで……」

 冗談交じりに返すヨーコ。

「ヨーコさん、こちらへ」

 クラベルの呼びかけに、ヨーコ、生唾を飲み込みネモとペパーの間へ。

「また怒られる流れ、これ?」

 恐る恐るネモに囁くボタン。

「さあー?」

 気にしない風味のネモ。と、クラベルが、

「怒るなんてとんでもない」

 にこやかな声に、みんなクラベルを見る。

「課外授業の宝探し、皆さんのその功績についてです。タイムマシンを停止させ、未来のポケモンたちの暴走を阻止、本当に素晴らしい行動でした。校長として私も鼻が高いです」

 付け加えるように、

「無許可で立ち入り禁止の場所に入ったことはよくありませんが……」
「あはは……、ですよねー」

 ネモ苦笑い。

「パルデアの豊かな生態系を守ってくださったことに免じて、不問とさせていただきます」
「ありがとうございます……」
「ホッ、怒られんかった」

 胸を撫で下ろすヨーコとボタン。

「ピカピカ!」

 よかったわねえ? と出てくるぴっかりさん。

「うん、ほうじゃね」
「……おっと! ほかの皆さんには渡したのですが、ヨーコさんにもこちらを……」

 マスターボールもらう。

「あ、博士が使うとりんさった……」
「どんなポケモンでも捕まえられる最高級のボールです」

 うなずくクラベル。

「それと、この前の精進落としの時にお渡しした殿堂バッジは、アカデミーで素晴らしい功績をあげた生徒だけが持てるものです。バッジに恥じない生徒の鑑として、学校生活を送ってくださいね」
「はい! 頑張ります!」
「ピーカチュウ!」

 意気込むヨーコとぴっかりさん。

「皆さんの将来が楽しみです」

 クラベル微笑む。ペパーを見て、

「それと、ペパーさん……、博士のことは、残念でしたね。改めてお悔やみ申し上げます」
「ん……、まあ……」

 ペパーうつむく。

「父ちゃん死んでるって知ったときは、つらかったけど……。葬式あげることが出来たからかな。不思議と、今はスッキリしてんだ」

 ペパー、顔を上げる。

「父ちゃんの研究……、やりたかったこと……、大穴の中でちょっとわかったし。タイムマシンなんてすげえもん作るためには、子供の相手なんてしてらんねえよな」

 ペパー、少し遠くを見て、

「だから、ガキのころから続いてたオレのモヤモヤはこれでおさらばだ!」

 晴れやかな顔で、ヨーコ達を振り向く。

「マフィティフや友達(ダチ)のコイツらと、卒業までスクールライフ楽しむぜ!」
「ペパーさん……」
「ペパー……」
「ん……」

 嬉しいヨーコ達。クラベルも微笑む。

「さすが、フトゥー博士の立派なご子息です。
 ……卒業するための単位は全然足りてないですが、死に物狂いでがんばってくださいね」
「えっ……?」

 固まり、ガックリ肩を落とすペパーに、

「う、うちらも勉強手伝うけえ!」
「そうだよ! 勝負付き合うからさ!」
「いや勝負は関係ないでしょ」

 口々に言うヨーコ達。

「へへ、あ、ありがとよ……」

 乾いた笑いのペパー。

「そして、我が校からチャンピオンが新たに生まれたのも喜ばしいこと! 大穴の活躍をおおやけに祝えないぶん、こちらはアカデミーでもみんなでお祝いをしたいですね」
「えへへ……」

 照れ笑いのヨーコ。と、ネモ勢いよく、

「ハイ! ハイ! だったら、ポケモン勝負大会を開きたいです!!」
「ポケモン勝負大会?」
「ピカ?」

 おめめパチクリなヨーコ&ぴっかりさん。

「また面倒なことを……」
「マジ、ネモいな」

 ため息のペパーとボタン。

「ポケモン勝負大会……、ですか」

 微笑むクラベル。

「多少、ネモさんの私利私欲感はありますが、いいんじゃないでしょうか。ほかの行事の準備もあり、あまり大規模なことはできませんが……」

 と、誰か入ってきた。

「お話は聞かせてもらいました」

 優雅にやってきたのはオモダカ。

「その大会、ポケモンリーグも一肌脱ぎましょう」



「「トップ!?」」

 目を丸くするネモ&ヨーコ。ボタンも驚いている。

「これはこれはオモダカさん。喜ばしい申し出です」
「うら若き才能たちを育むためなら、協力は惜しみませんよ」

 オモダカ、考えながら優雅に歩き、

「しかし、ポケモンは若い目だけに伸びしろがあるわけではない。この学校の先生がたは、元ジムリーダーや図鑑開発者、ポケモン育成に長けている者も多い」

 オモダカ、ヨーコ達に振り向く。

「ですから、私は提案します……」

 堂々宣言!

「教員や生徒! そのすべてを交え、学校最強のトレーナーを決めるのです!」
「おおー!」
「ピッカチュウ!」

 歓声を上げるヨーコとぴっかりさん。

「わー! 先生とも戦れるの!? もちろんトップも出場しますよね!?」
「え、部外者だからダメじゃん?」

 ペパーが首をかしげると、ボタンとヨーコ、

「いやいや、この人たしか学校の理事長でもあるし」
「うんうん」
「マジ……? なんでも超人さんかよ……」

 オモダカ、にっこりと、

「チャンピオン・ネモ、お誘い感謝です。私でよければ、ぜひ参加させていただきたいのですが……」

 オモダカ、考え込みつつ、

「少々仕事が立てこんでおり、スケジュールを開けるのが難しく……」
「えー! そこをなんとか!!」

 ネモ、おねだりポーズ。

「もし、チャンピオン・ヨーコがお仕事を手伝ってくだされば、私も出場できるかも……?」
「もちろんお手伝いします! 何すればええですか?」
「ピーカ!」

 ヨーコとぴっかりさん張り切る!

「おお、ありがとうございます。チャンピオン・ヨーコ、ピカチュウ」

 嬉しそうなオモダカ。

「貴方がたには、明日から3日間、私の代わりに各地のジムを視察してほしいのです」
「視察!」
「チャンピオンランクを目指す者たちを優しく導ける存在であるか……、その強さに陰りがないか……、チャンピオンとして勝負し、ジムリーダーたちの力を見極めてください。
 私が選んだ逸材たちですから、めったなことはありませんが、まあ、形式的なものですね」

 オモダカ、艶やかに笑い、

「新しいチャンピオンとその相棒達のお目見えには絶好の機会です。トップが来ると思い準備してますから、以前戦った彼らとは別格の強さですよ」
「はい!」「ピカ!」
「えー! 本気のジムリーダーと戦えるの、うらやましすぎる……!」

 うらやましさいっぱいのネモ。ヨーコ苦笑し、

「ネモさんも、うちがジム巡りしとった時に同じことしとりんさったじゃろ?」
「それはそうだけどー」

 ネモ口を尖らせる。

「それでは私は別の仕事に……。LPシステムの脆弱性について、ボタンさんと改善案を考えましょう」
「えと……、うち、これから溜まってるアニメ消化する予定……」

 若干げんなりなボタンに笑顔で圧をかけるオモダカ。

「ご協力感謝しますね」
「や、やるやるやります」
(うわぁ……)

 ドン引きのヨーコとぴっかりさん。

「それではよろしくお願いいたします。当直室を確保しておりますので、ボタンさん、参りましょう」

 華麗に去っていくオモダカ。ずーん、とついていくボタン。

(さすがトップ、いろいろきょーとい……)

 ぴっかりさんとふたりで冷や汗かくヨーコ。と、ネモが、

「ヨーコやったじゃん! トップを呼ぶためにファイトだよ! もう一度ジム巡り楽しんできてね! わたしは大会開催できるように学生課に申請したり、準備進めとくから!」
「うん!」
「ピッカチュ!」

 クラベル、拍手しながら、

「生徒の自主性に校長、感動です! 皆さん、がんばってください!」
「「はーい!」」「ピーカ!」

 声を揃えて返事するヨーコとネモ、ぴっかりさん。ペパー、少し考え、

「……だな!」

 満面の笑みでうなずく。



 翌日、朝食のホットケーキを食べ、身支度をすませたヨーコ。

「よし、行くかね!」

 新しい冒険、スタート!

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