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『長崎すひあすくわっど』4-18
「どうとでも言えや!」
コハクはすかさず言い返した。そのやり取りを横で見ていた店員さんがクスリと笑い、穏やかに言った。
「ふたりとも仲良かとね」
「どこかですか!」
コハクとアコヤの声が被り、町中(まちなか)に響いた。
シロクツは目を開け、少し不満そうに耳を動かしてから、やれやれと言うように大あくびをした。
*
シロクツを(店員さんがくれたネコ用高級おやつと共に)生物部の部室に送り届けた後で、コハクはアコヤ共々、今度こそハリルリと一緒に学校を出た。
「じゃあ、シロクツは何か予感がして外に出たってことですか?」
今までの事を聞いたハリが目を瞬かせた。
「多分ね。それで誰(だい)か呼びに戻ってきたとよ」
コハクがうなずくと、ルリも静かに納得する。
「なるほど……」
と、アコヤがフン、と笑い、
「脳筋のお前にしちゃ、やけに説得力のあること言うな。野生の勘があるから、思考回路が動物に近いのか?」
「いや、人間も動物やろが!」
コハクはすかさず言い返してから、ハリルリの方を向いた。
「ていうか、連続で声かけられたね。アンタ達の人柄もあるやろうけど」