あったかいカルピスの話
毎年この時期になると思い出すのは、地元の冬の祭りで飲んだホットカルピスのことである。
あれを初めて飲んだのは、小学校2年生の頃だった。家族と共に祭りの会場へ行って、確か出し物が始まる前だったかと思う。屋台へ飲み物を買いに寄ったら、ホットカルピス、という張り紙がされていた。
今まで飲んだカルピスは冷たいものばかりだったため、当時の私は物珍しく感じた。当然、飲み物はホットカルピスを買ってもらった。
一口飲むと、優しい甘さと共に温もりが体中に染み渡った。熱いにも関わらず、私は喉を鳴らして飲んだ覚えがある。初めての味は本当に甘くて温かくておいしかった。
それから、ホットカルピスは私の好きな飲み物のひとつに、また冬の祭りといえば、という連想のアイテムにもなったのだった。