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『長崎すひあすくわっど』4-8
「そりゃあ、運の悪か」
コハクはうなずき、ハリルリに振り向いた。
「うち手伝うわ、よかねふたりとも」
ハリもルリも快くうなずいてくれた。
「はい! もちろんです!」
「わ、私も加わります!」
コハクも笑って、
「そいじゃ二手に別れ……」
と、今まで黙っていたアコヤが突然口を開いた。
「わたしはこいつと行くから、ハリとルリはその子と探せ」
「は!? 何でいきなり……」
当然コハクは渋ったが、
「ありがとうございます! ハリルリ、ついてきて」
とハリもルリもキョウコに連れられて行ってしまった。
*
「『ネコが好む場所として、日当たりのいい場所、柔らかくて暖かい場所、自分のテリトリー、高い所、狭い所が挙げられる』、と……」
自身のスマートフォン──淡いブルーのカラーリングだ──でネコが潜んでいそうな場所を検索したアコヤが、サイトの文章を読み上げる。
それを聞きながら、コハクは口をとがらせた。
「まさかアンタから誘いくるとは思わんかったわ」
アコヤは顔を上げ、コハクを軽く睨んだ。
「こっちだって嫌だったよ」
「じゃあなして」
「聞きたいことがあったからだ」
「さっきのやつ? なんて言おうとしたとね?」