秋を恋ふる
狂ったような赤い月も
病んだ寂しい青白い月も
今宵は輝くことなく
厚い雲に覆われ
お隠れあそばして
このやうな一日は
当然ながら
圧倒的なる太陽も
今日は休むわ、あぁ疲れた♪ってさ
太陽と月の無い一日は
時にはくすくすと笑いたくなるのだ
秋になりても聞こえる音色
ああ、今年も
つくつく欲しい
つくずく恋しい惜しいと
夜中に鳴き喚き
悲しいのか法師よと
夜目にわたしは視えぬのだ
頼みの綱の我が家の猫たち
今夜は猫もおとなしい
雨、嫌いだものね、おまえたちは
飽きずに
毛繕いしているなぁ
もういいんじゃないのかぃ
ああ、わたしの好きな季節
今から晩秋が
わたしの愛する季節なのだ
