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#シロクマ文芸部/懐かしい
小牧幸助さまの企画に参加します。
『過去記事より』
嗚呼、懐かしい
昭和ー
青春の日々ー
愚かで弱く
ひたむきに愛した日々
水溜まりに突っ伏したあなたの叫び
「俺は無力だ」と泣いた夜
わたしの膝枕を欲しがったあなた
いつかの夜
コンクリに座り
あなたを待っていました
陽が暮れてもあなたの影は視えない
いつもの居酒屋に寄ってるかしらと
六本松から少し歩いたK大教養部の前
ひなびたお店に顔出せば
「今日は来てないよ」と
いつものオジさんの声
やがて夜の帳が狭き道を包み
暗闇の中
小さな街灯を目印に
またあなたの下宿へと
トボトボ向かう
背後から足音
わたしが早足になれば
音も早くなる
怖い・・
必死に駆けて駆けて
電信柱の影に隠れたならば
「莫迦。面白いな、お前は」と
あなたの悪戯な目
う~ん、
尾けられておりましたか
わたしの背中の怖れを察知し
尚も意地悪するあなた
遠い日々が
今もわたしの中
煌々と宝の如く棲み付いています
ジュラルミンの盾
ヘルメットに
あなたの流した汗と涙
「今度はもう帰れないかも知れない
お前は来るな」
あなたは、いつも戻ってくれたわね
懐かしい熱き日々
嗚呼 死ぬ前には会いましょうよ、ね?
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