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水辺の秋

小春日和

僅かな時間、目的のダムに行く

いつもの場所

かの対岸より、数年前、鹿が泳いで来る姿を見たのだ

長い距離、溺れまいか、と祈る思いで鹿を見守る

此方に着いたー

つい嬉しくて

”やったね!頑張ったね~”と

上から声かけたのが

愚かなわたしのミス

鹿は即座に向きを変え

また元居た対岸へと向ったのだ

途中で溺れたらどうしよう

わたしの所為だ

ごめんね、鹿さん、驚かせてしまったわね

先より更に数倍もの祈りを込めて

鹿を見守る

・・・着いた

泳ぎきってくれた!

でも・・わたしってば、最低のことしちゃったのだ

それ以降、鹿にも狸にもイタチにも鴉にも・・・

決して声をかけないようにしている

どれだけ田舎に住んでいるのだ?って

ん~、そこそこ都会だけども

足伸ばせば、山も海もダムも何だってあるのです

まさに錦の紅葉!

スケッチブックに画を描く人、カメラで熱心に撮る人

今日は多くの人間が居た

鹿も・・こんな賑わいだと

泳いで来ぬか




水辺の秋