スペースボーラー幸子

あらすじ
時は西暦210X年、荒廃したサイバーパンクな世の中。時の権力者達はこぞってボーリングにて覇権争いを行っていた。

大昔の音楽ー
ロックバンドのローリング・ストーンズ｢サティスファクション｣を聴きながら幸子は上機嫌。ボーリング場の中。

紅いマイボール【SACHI】を
鞄に詰め込み
シューズを履き替えた。
今夜はハイヒールでも履きたい気分。

あの卑猥な唇したミックジャガーのせいね。
ダンシングストリート！

ミックとデビッド・ボウイの姿が目に浮かぶ。

アナログだけど、イカしてたロックンローラー。

さてと、何処かに寄ろうか帰ろうか。

ボーリング場は心地好い。
幸子が誇れるのは
　スペースボーラーなる称号だ。

ふと空気の流れに違和感覚え
周囲を見渡すが誰も居ない。
いや、見えないだけだ、と息をつめ
気配を殺す。

………コン………コン……コン
密かに足音が聴こえる。
……コツン…コツン…コツン…
今度は違う音だ。

幸子は身構えマイボールを手にする。

このボールさえあれば
わたしは無敵だ。臆してたまるか！

やがて二人の男の姿が視界に入る。
ひとりは背が高く冷利な顔立ち、青いボールを手にしている。

もう1人の男は小柄ながらガタイのいい男。黒いボールを持っている。

青ボールの男が声高に言い放つ。
｢スペースボーラー幸子よ、決戦の時だ。｣
黒ボウルの男も言い放つ。
｢紅一点スペースボーラー幸子よ、お前を倒して我が覇権を取るのだ。｣

幸子は覇権争いになど興味もなく
よもやターゲットにされるとはと
驚愕する。
しかし、明らかに二人の男は女を下等な生き物と思っている。
彼らのどちらが覇権者になっても
伝承された過去の再現となる。

かつて
信じられぬ事に『男女差別』なる時代があったのだ。

旧世紀に戻してたまるか！

｢いいわ。青さん、黒さん、どちらがお先？｣

青と黒の男はいにしえのジャンケン✊✌️✋をし始める。
黒が勝ち
紅ボールと黒ボールがせめぎあう。

ふふふ
あなたはわたしに勝てないわ
幸子の腕には及ばず黒敗北。

次は青だ。
その冷利な顔が物語っている。
この男は何をするかわからない。
落ち着け。落ち着けと【SACHI】を抱きしめ幸子は対峙する。

｢お～っと！すまぬ。｣
青いボールが幸子の爪先に落ちる。
やっぱりね、姑息なヤツ。

試合が始まる。
激痛堪えるスペースボーラー幸子は
気高く美しい。
青は足を踏んずけたり
常に幸子の優位に立たんと試みる。

屁でもねえわ
屁でもねえわ

大昔のフレーズが身体の中に雪崩れ込む。
本当にもう～やってられないわ！

スペースボーラー幸子は
アドレナリン噴出し
会心の一撃！

チェックメイト！

かくして、パンクな奴らに勝利する。
あはん。ロック舐めんなよ。

初の覇権者、スペースボーラー幸子の
誕生だ。

おしまい。

時間が足りず下書き無しの作品です。



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シンスケさん、宜しくお願い致します。