かの子繚乱
岡本かのこが袂に入れていたのは、小さな観音様だったと言う。
何故、観音様なのですか?
編集者の問いに、かのこは
朗らかに率直に
「だって、一番、美しいもの」と答えたそうな。
岡本かのこの伝記小説「かのこ繚乱」を、随分前に読んだ。二十前後だろうか。
瀬戸内晴美さんが寂聴さんになる前だ。
かのこという女性。比類な奇々怪々なる人物と、愛した男たち。
夫、岡本一平は、当時、売れっ子の漫画家だったにも関わらず、かのこに才を見出し、いとも容易く筆を置いた。
もうじき、山が色づく。
紅葉に囲まれた菩薩像に会いに行きたい