![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/171663279/rectangle_large_type_2_7a1b830a06c990da4e3b108d3ad2dde9.png?width=1200)
(97)「年収の壁」について その2
用語の定義についてもう1つだけ触れておきます。税法での話の中でこれから「合計所得金額」という言葉が出てきますが、次のような意味です。
☆☆☆資料3 ~ 合計所得金額/国税庁のホームページより
①次の1と2の合計額に、退職所得金額、山林所得金額を加算した金額で
す。
※「退職所得金額」は、確定申告が不要な場合でも計算に当たって加算す
る必要があります。
※申告分離課税の所得がある場合には、それらの所得金額の合計額を加算
した金額です。
→「所得金額」は、長(短)期譲渡所得については特別控除前の金額を
合計額を加算する。
1)事業所得、不動産所得、給与所得、総合課税の利子所得・配当所得・
短期譲渡所得及び雑所得の合計額。
※損益通算後の金額。
2)総合課税の長期譲渡所得と一時所得の合計額(損益通算後の金額)の
1/2の金額。
②ただし、次の繰越控除を受けている場合は、その適用前の金額をいいま
す。
1)純損失や雑損失の繰越控除。
2)居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除。
3)特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除。
4)上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除。
5)特定投資株式に係る譲渡損失の繰越控除。
6)先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除。
③申告分離課税の所得がある場合には、それらの所得金額(長〔短〕期譲渡
所得については特別控除前の金額)の合計額を加算した金額です。
★★★資料3はここまで ~
よくマスコミやネットなどでも、配偶者の所得を「給与所得」と限定したような話になりますが、実際には給与所得に限定されているわけではありません。税法では本来、納税者本人や配偶者・一定の範囲の親族の「合計所得金額」がいくらなのかによることになっています。
給与所得に限らず、副業またはサイドビジネスによる雑所得、不動産所得や事業所得、例えば空き家になった実家を賃貸物件として貸し出している場合や実家の売却による所得、ネットへの動画配信、アフィリエイトや投げ銭などによる所得もすべて含めます。
次回以降でも「給与所得」としているところもありますが、本来は「合計所得金額」であることに注意してください。
なお、「年収の壁」は、税法と社会保険のいずれかの話となりますが、それぞれ内容が異なります。「税法」の話なのか「社会保険」の話なのかを十分に注意してお読みください。また、話の中で「収入」や「所得」という言葉、「以上」または「以下」、「未満」および「超える」という言葉も出てきます。どの言葉を用いているのかという点も重要ですので、お間違えないように注意してお読みください。
さらに、納税者本人自身または健康保険の被保険者本人自身の「所得」または「収入」なのか、パートタイマー等である配偶者や一定の範囲の親族の「所得」または「収入」なのかという点にも注意してお読みください。
今回はここまでです。またよろしければ次回(2月2日予定)もお読みください。