(39)国民年金の任意加入被保険者について その5
さて、国民年金の保険料の免除には、保険料1/4免除以外にも、保険料半額免除、保険料3/4免除、保険料全額免除があります。こうした免除期間も前回までと同様に計算をしますが、下記の資料56の一番上の①から順番に当てはめて計算していくということになります。
☆☆☆☆☆資料56 ~ 老齢基礎年金の年金額の計算する順番/国民年金法第27条
①保険料納付済期間。
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②平成21年(2009年)4月以降の保険料1/4免除期間。
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③平成21年(2009年)3月以前の保険料1/4免除期間。
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④平成21年(2009年)4月以降の保険料半額免除期間。
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⑤平成21年(2009年)3月以前の保険料半額免除期間。
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⑥平成21年(2009年)4月以降の保険料3/4免除期間。
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⑦平成21年(2009年)3月以前の保険料3/4免除期間。
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⑧平成21年(2009年)4月以降の保険料全額免除期間。
↓
⑨平成21年(2009年)3月以前の保険料全額免除期間。
★★★★★資料56はここまで ~
65歳などになったときに、その方の加入していた国民年金の全被保険者期間の履歴によって、老齢基礎年金の年金額が計算されることになります。
20歳から60歳までの40年間(480月)のうち、1ヶ月も未納(滞納)期間がなければ、保険料納付済期間の月数と保険料免除期間の月数(いずれも実月数)を合計すれば「480月」になります。
老齢基礎年金の年金額を計算する場合、まず最初に保険料納付済期間の月数から老齢基礎年金の年金額の計算に反映させていきます。この保険料納付済期間は20歳以上60歳未満の間の保険料納付済期間だけでなく、60歳を超えてからの国民年金の任意加入被保険者の期間も含まれます。
また厚生年金保険の保険料を納付した期間(20歳以上60歳未満の期間に限る)、厚生年金保険に統合される前の共済年金の掛金を納付した期間(20歳以上60歳未満の期間に限る)、第3号被保険者の期間も保険料納付済期間に含まれます。
この保険料納付済期間については平成21年(2009年)4月以降と平成21年(2009年)3月以前とに分けることはしません。
ただし、国民年金は20歳以上60歳未満の方が加入する制度です。厚生年金保険の被保険者期間で20歳になるまでの期間または60歳以上の期間は、この老齢基礎年金の年金額の計算には算入されません。これらの期間は国民年金としては「合算対象期間」として扱われます。
この「合算対象期間」を簡単にいうと、老齢基礎年金の支給要件のひとつである「保険料納付済期間の月数と保険料免除期間の月数(実月数)の合計が10年(120月)以上」あるかどうかを計算(期間の計算)に含めます。これは、保険料納付済期間と保険料免除期間(実月数)に合算対象期間を加えて10年(120月)以上あれば、老齢基礎年金の支給要件を満たすという特例があるからです。(国民年金法附則第9条参照)
しかし、この合算対象期間は老齢基礎年金の年金額の計算には算入しません。保険料納付済期間と保険料免除期間だけで老齢基礎年金の年金額が計算されるのです。
では、厚生年金保険の被保険者期間で20歳になるまでの期間または60歳以上の期間は、基礎年金部分としては掛け捨てかといえば、そうではありません。厚生年金保険から「経過的加算」として受け取ることになっています。
また、保険料免除期間についても他の免除期間とは異なる取扱いをしますが、その点については後日お話しします。
お読みいただきましてありがとうございました。今回はここまでです。またよろしければ次回(12月31日予定)もお読みください。