(83)国民年金の第3号被保険者について その9
平成25年(2013年)12月26日に、内閣府・国家公安委員会・法務省・厚生労働省が共同して“配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等のための施策に関する基本的な方針”を公表しました。その方針の中から国民年金に関する事項を抜粋しておきます。
☆☆☆☆☆資料107 ~ 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等のための施策に関する基本的な方針(抜粋)
①都道府県の配偶者暴力相談支援センターは、被害者から国民年金等に関す
る相談があった場合、以下について事案に応じた情報提供等を行うことが
必要である。
②国においては、以下の事項について、市町村等関係機関に対して周知に努
める。
1)被害者が国民年金の第3号被保険者(会社員、公務員等の被扶養配偶
者)であって、その被害者がその配偶者の収入により生計を維持しな
くなった場合は、第3号被保険者から第1号被保険者となる手続きが
必要になる。
2)上記の手続きは、現在住んでいる市町村において行う。
※その際、年金手帳が必要となる。
3)第1号被保険者になった場合は、自らが保険料を負担する義務が生じ
る。
4)第1号被保険者は、生活保護法による扶助を受けている場合や、経済
的に保険料の納付が困難な場合等は、保険料の免除制度等があること
から、市町村において相談する。
5)配偶者からの暴力が原因で避難している被害者が保険料の免除を申請
する場合は、加害者の所得は審査の対象としない特例があるので、年
金事務所において相談する。
6)国民年金、厚生年金保険及び船員保険に関し、被害者が年金事務所に
おいて手続きを執ることにより、国民年金原簿等に記載されている住
所等が知られることのないよう、秘密の保持に配慮した取扱いが行わ
れることとなるので、必要に応じ、年金事務所において相談する。
7)配偶者からの暴力が原因で被害者が避難している間に加害者が死亡
し、被害者が遺族年金の裁定請求を行う場合については、裁定請求の
際、年金事務所において、その旨を相談する。
★★★★★資料107はここまで ~
上記の資料107の②の2に『年金手帳』が出てきましたが、この『年金手帳』が令和4年(2022年)4月で廃止され、それ以後は『基礎年金番号通知書』が発行されます。この通達はその前に出されていますので、現在も『年金手帳』が必要なのかはわかりませんが、何らかの形で基礎年金番号がわかる書類が必要であろうと思います。
今回はここまでです。またよろしければ次回(10月27日予定)もお読みください。
今回で国民年金の第3号被保険者は終わりです。次回からは「厚生年金保険の特定適用事業所」などについて取り上げていきます。それが終わったらあと世間でよく言われている「所得の壁」について取り上げていく予定にしております。
次回以降の「厚生年金保険の特定適用事業所」についてですが、いろいろな言葉が出てきます。「特定適用事業所」をはじめ、「特定労働者」、「短時間労働者」、「短時間就労者」、「特定四分の三未満短時間労働者」などの用語があります。まずはその言葉の意味やどう定義されているのかを取り上げます。そうすることで、「厚生年金保険の特定適用事業所」について理解が広がるかと思います。
ただし、そうなりますと読んでいて“退屈”なイメージを持たれるかもしれません。申し訳ありませんが、それは致し方ないかとも思っています。それでは、次回以降の「厚生年金保険の特定適用事業所」についてもよろしければお読み下さい。