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(79)国民年金の第3号被保険者について その5

 この国民年金の第3号被保険者の要件は、健康保険の被扶養者の認定でもありますので、国民年金の第3号被保険者になれないということは、健康保険の被扶養者(扶養家族)にもなれないということになります。

 ちなみに、第3号被保険者になれるのは60歳未満の方ですので、健康保険の被扶養者の認定の対象の方が60歳を超えている場合には、その方の収入が「180万円未満」である必要があります。

それでは、この「収入」とは、どう定義されているのでしょうか。

☆☆☆☆☆資料103 ~ 国民年金法における被扶養配偶者の認定基準の運用について/昭和61年4月1日庁保険発第18号

①「年間収入」とは、認定対象者が被扶養配偶者に該当する時点での恒常的
 な収入の状況により算定する。

 ※したがって、一般的には、前年の収入によって現在の状況を判断しても
  差し支えないが、この場合は、算定された年間収入が今後とも同水準で
  得られると認められることが前提である。

②なお、収入の算定に当たっては、次の取扱いによる。

 1)恒常的な収入には、恩給、年金、給与所得、傷病手当金、失業給付
   金、資産所得等の収入で、継続して入るもの、またはその予定のもの
   がすべて含まれる。

 2)恒常的な収入のうち資産所得、事業所得などで所得を得るために経費
   を要するものについては、社会通念上明らかにその所得を得るために
   必要と認められる経費に限りその実額を総額から控除し、その控除後
   の額をもって収入とする。

 3)給与所得(給与、年金、恩給等)は、控除前の総額を収入とする。

★★★★★資料103はここまで ~

 扶養されているかどうかを判断する収入には給与収入だけではなく、自営や不動産収入があればその収入も計算に入れます。

 課税・非課税に関係なく、老齢基礎年金や老齢厚生年金はもちろん、所得税などが非課税の障害基礎年金・障害厚生年金または遺族基礎年金・遺族厚生年金など、雇用保険からのいわゆる“失業保険”(基本手当)など、健康保険からの傷病手当金や出産手当金も収入として合算します。

 例えば、会社を退職して次の就職先が決まるまで、配偶者が加入する健康保険の被扶養者(扶養家族)・国民年金の第3号被保険者になろうとしても、雇用保険からの基本手当日額によっては、健康保険の被扶養者(扶養家族)・国民年金の第3号被保険者にはなれないという場合もあるということです。

 こうした非課税の所得なども合計した収入金額が、前回の資料102の①の1~2に当てはまるかを考えます。

 これが第2号被保険者の収入によって生計を維持しているという考え方です。このように第2号被保険者によって生計を維持している配偶者を“被扶養配偶者”といいます。

 今回はここまでです。またよろしければ次回(9月29日予定)もお読みください。

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