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(14)社会保障協定 その6

 一方、日本から社会保障協定未締結国に派遣される場合、派遣期間が5年であるか否かにかかわらず、新たに派遣される相手国の社会保障の制度に加入することになります。日本の会社との雇用関係がそのまま継続している場合には、日本の社会保障制度の資格もそのまま継続します。つまり、保険料の負担は二重に必要となってきます。

 同様に社会保障協定未締結国から日本に派遣されてくる場合も、派遣期間が5年であるか否かにかかわらず、新たに日本の社会保障の制度に加入することになります。派遣した相手国の社会保障制度の加入要件に当てはまる場合には、その派遣した国の社会保障制度の資格もそのまま継続します。この場合にも保険料の負担が二重に必要となってくるのです。

☆☆☆☆☆資料18 ~ 社会保障協定/日本年金機構のホームページより

①一時派遣(日本からの海外派遣が5年以内)の場合。

 1)日本との社会保障協定が未発効の国での勤務。

    a)加入制度 ・・・ 原則、勤務する国の社会保障制度に加入す
               ることになります。

      ※日本企業との間の雇用関係が継続していれば、日本の社会保
       障制度にも継続して加入することになります。

    b)加入手続 ・・・ 勤務する国の社会保障制度により異なりま
               す。

②長期派遣(日本からの海外派遣が5年を超える)場合。

 1)日本との社会保障協定が未発効の国での勤務。

    a)加入制度 ・・・ 原則、勤務する国の社会保障制度に加入す
               ることになります。

      ※日本企業との間の雇用関係が継続していれば、日本の社会保
       障制度にも継続して加入することになります。

    b)加入手続 ・・・ 勤務する国の社会保障制度により異なりま
               す。

★★★★★資料18はここまで ~

 このように社会保障協定未締結国から日本に派遣されてきた場合には、派遣期間の長短に関係なく日本の居住している限りは日本の年金制度(国民年金・厚生年金保険)の資格を取得しなければなりません。

 ただし、現地採用の場合には、最初からその国の社会保障制度が適用されます。

☆☆☆☆☆資料19 ~ 社会保障協定/日本年金機構のホームページより

現地での新規採用(現地就労)の場合 ~

①日本との社会保障協定が発効済みの国での勤務。

 1)加入制度 ・・・ 現地で新規に採用される場合は、その採用される
            企業のある国の社会保障制度に加入することにな
            ります。

 2)加入手続 ・・・ 採用される国の社会保障制度により異なります。

②日本との社会保障協定が未発効の国での勤務。

 1)加入制度 ・・・ 原則、勤務する国の社会保障制度に加入すること
            になります。

   ※日本企業との間の雇用関係が継続していれば、日本の社会保障制度
    にも継続して加入することになります。

 2)加入手続 ・・・ 勤務する国の社会保障制度により異なります。

★★★★★資料19はここまで ~

日本国籍を持つ方が海外で現地採用された場合、現地の社会保障の制度に加入することになりますが、日本の国民年金の任意加入被保険者(国民年金の第1号被保険者)になることはできます。

 ただし、国民年金の任意加入被保険者の場合には、前年度の所得が低いなどの場合に国民年金の保険料が免除される制度や学生納付特例制度を利用することはできません。

 今回はここまでです。よろしければ次回(7月9日予定)もお読みください。

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