ポッケの中の甘じょっぱいチョコレート
明日の放課後屋上で待ってます。ドキドキしながら書いた手紙を下駄箱に入れる。
今日は、バレンタインデー。
誰もがウキウキして甘い匂いがする日。
放課後屋上で好きな人をまつドキドキは青春そのもの。
どこからともなく聞こえるみんなの声もこの時だけは自分の心臓の音で気になることもない。
でも、私は見てしまった屋上から見える体育館前の渡り廊下に好きな人と学校一のマドンナ。
チョコをもらう君の顔はとても素敵で眩しすぎる。
眩しすぎて目を手でふさぐ。
溢れ出るもので目がかすみみていられなかった。
そして、チョコをもらった好きだった人は笑みを浮かべて、屋上にいる私の目の前に立つ。
「どした❓」
(うん?)
「呼び出したのお前だろ?」
(あぁ、どうせ、
今年もチョコレート貰えないとおもって、からかってやろうと思ってさ)
咄嗟についた日頃の悪い癖
親友というポジションを無くしたくないとおもってついた嘘。
「いやーそれがさ、俺にもやっと春が来た?みたいなぁー。」
喜ぶ顔に目を細めながら耐える。
(あぁー良かったこれからは、あんたのおもりしなくてもいいんだね。せいせいするわ)
「なんだよwお守りってww」
(もう、惚気はいいから、行っちまえ!幸せになれよ)
「おぅ。ありがとな!」
(おぅ。)
無理して笑う自分に腹が立つ。
屋上をさる君の後ろ姿が小さくなる。
我慢しきれなかった大粒の涙が頬をぬらす。
(すきだったなぁー。あの笑顔)
振り向くあいつにびっくりしながら、
(なんだよ。)
「チョコくれる予定だった❓」
(ばーかwあげるわけないだろ。)
そう言いながらポケットに手を入れて握りしめる。。
「だよな( -ω-゛)σ」
その言葉を残し屋上のドアが閉まる音が切なさを倍増させる。
(( ・ᯅ・ )あぁ。すきだったなぁー)
握りしめた甘じょっぱい青春は少し溶けていた。