
【想像させて】とりっぷ。
「おい! 絶対そっち行くなよ!?」
「お前バカか(笑)」
「おい! 行くなって!」
「お前も行きたいんだろ?(笑)」
「バッキャロー! 行くなっつってんだろ!!」
運転免許を取得したばかりの高林は、友人の山下を乗せ、納車されたばかりの車でドライブを楽しんでいた。
やがて前方に現れた看板を見て、高林はそこに行ってみたいと言った。その瞬間、山下の態度が一変した。
「なんかあったらお前責任取れんのかよ!」
「おお、おお、責任取ってやるよ(笑)」
「お前みたいなバカがそうやって吸い込まれて、何人も帰ってきてなかったどうする!?」
「何を言ってんの(笑) だとしたら事件だし、みんな気づくだろ(笑)」
「違う! 本物のバカか? その人たちは、はじめから居なかったことになるんだよ。みんなの記憶から消されるのさ!」
「なに?(笑)」
「だから、騒ぎにならないんだよ!」
「いい加減そのキャラやめてくれる?(笑)」
「お前正気かよ! まさか……お前……すでに何かに取り憑かれるんじゃないのか? おい! 目を覚ませ!」
山下は、高林を揺すった。
「ちょやめてくれって(笑) 死ぬ死ぬ(笑) 取り憑かれてるのはお前だろ(笑)」
「バッキャロー!!」
腹がよじれながらも高林はハンドルを左に切った。

※この物語は想像です。登場する人物名、団体名は実在のものとは関係ありません。