見出し画像

インドネシアの出生率

こんにちは。
今日のテーマは、インドネシアの出生率についてです。  

インドネシアの出生率について、以下にまとめました。
①緩やかな低下傾向
②若年層の高い出生率
③地域差と社会経済的要因による変動



①緩やかな低下傾向
 インドネシアの合計特殊出生率は、長期的に見ると緩やかな低下傾向にあります。1980年には4.49だった出生率が、2022年には2.15まで低下しています。この40年間で半分以下になったことになります。この低下傾向の背景には、1970年代から始まった政府主導の「家族計画プログラム」があります。避妊薬の配布や啓蒙活動などを通じて、人口増加の抑制を図ってきました。しかし、日本などの先進国と比べると依然として高い水準を維持しており、人口置換水準である2.1をまだ下回っていません。都市部と地方部で出生率に差があることも特徴的で、都市部では教育レベルの向上や晩婚化の影響で出生率が低い傾向にあります。


②若年層の高い出生率
 インドネシアでは、若年層の出生率が比較的高いことが特徴です。中央統計庁の調査によると、2020年に結婚した女性の約半数(48.59%)が19歳から24歳の年齢層でした。この背景には、「女性は結婚・出産して当たり前」という伝統的な価値観が根強く残っていることがあります。特に地方部では、高校卒業後すぐに結婚するケースも珍しくありません。また、イスラム教の影響も大きく、結婚を人生の重要な節目と考える傾向が強いです。早婚は出産年齢の若年化につながり、結果として全体の出生率を押し上げる要因となっています。


③地域差と社会経済的要因による変動
 インドネシアの出生率は、地域や社会経済的要因によって大きく変動します。例えば、教育レベルの高い都市部では出生率が低く、農村部や低所得層では高い傾向にあります。2010年の調査では、首都ジャカルタの出生率が2.1だったのに対し、東部のパプア州では3.5を超えていました。この差は、教育へのアクセス、経済状況、文化的背景など、様々な要因が複雑に絡み合って生じています。また、経済成長に伴う生活水準の向上や女性の社会進出が進むにつれ、特に都市部では少子化の傾向が見られます。一方で、地方では依然として多子傾向が続いており、この地域差が全体の出生率を2.1以上に保っている要因の一つとなっています。

以上です。それでは皆さん良い一日を。

いいなと思ったら応援しよう!