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インドネシアとドリアン
こんにちは。
今日のテーマは、インドネシアとドリアンについてです。
インドネシアとドリアンについて、以下にまとめました。
①急成長する国内生産量
②国際市場での潜在的な大生産国
③多様な品種と地域性
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①急成長する国内生産量
インドネシアのドリアン生産量は近年急速に増加しています。2013年には約76万トンだった生産量が、2023年には185万トンに達し、10年間で約2.4倍に増加しました。特に2022年から2023年にかけては17.05%という大幅な増加を記録しています。この成長の背景には、インドネシアの多様な農業生態系があります。国内の様々な気候と土壌条件がドリアンの栽培に適しており、多くの地域で生産が可能となっています。また、農家の栽培技術向上や肥料の適切な使用も生産量増加に寄与しています。地域別では、2023年時点で東ジャワ州が最大の生産地となっており、年間約48.8万トンを生産し、国内総生産量の26.36%を占めています。続いて中部ジャワ州(約19.8万トン)、西ジャワ州(約15.9万トン)、北スマトラ州(約13.7万トン)、南スラウェシ州(約8.9万トン)と続きます。
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②国際市場での潜在的な大生産国
インドネシアは世界最大のドリアン生産国である可能性が高いものの、その地位は国際的にあまり認知されていません。国連食糧農業機関(FAO)の統計には、インドネアのドリアン輸出量がほとんど記録されていないためです。これは、インドネシアで生産されるドリアンのほとんどが国内消費に向けられているためです。一方、タイやベトナム、マレーシア、フィリピンなどの東南アジア諸国は主要な輸出国として知られています。例えば、2019年のタイの生産量は約102万トンで、そのうち65万トン(約64%)が輸出されました。インドネシアの生産量はこれを上回っていますが、輸出量は比較にならないほど少ないのが現状です。しかし、インドネシア政府は最近、ドリアンの輸出促進に力を入れ始めています。2021年の世界のドリアン市場規模は約53.2兆ルピア(約4,000億円)と推定されており、インドネシアはこの巨大市場への参入を目指しています。
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③多様な品種と地域性
インドネシアは豊富なドリアンの遺伝資源を有しており、各地域で独自の品種が栽培されています。政府は、これらの地域固有の品種を「国家優良品種」として開発し、国際市場での競争力を高めようとしています。各地域ごとに異なる品種や栽培方法が存在し、インドネシアのドリアン産業に多様性をもたらしています。この多様性は、国内市場での需要に応えるだけでなく、将来的な輸出拡大の際にも強みとなる可能性があります。インドネシアのドリアン産業は、急速な生産量の増加、潜在的な輸出力、そして豊富な品種の多様性という3つの側面から、今後さらなる発展が期待されています。
以上です。それでは皆さん良い一日を。