インドネシアの深刻なゴミ問題
こんにちは。
今日のテーマは、インドネシアのゴミ問題についてです。
インドネシアのゴミ問題について、以下にまとめました。
①膨大な廃棄物排出量と不適切な処理
②深刻な海洋プラスチック汚染
③不十分な廃棄物管理インフラと意識改革の必要性
①膨大な廃棄物排出量と不適切な処理
インドネシアは世界第5位のゴミ排出国であり、年間約6,520万トンもの固形廃棄物を排出しています。この膨大な量のゴミの約70%がそのまま埋め立てられており、適切な処理がなされていません。リサイクルされるゴミはわずか7%程度で、残りの約24%は違法に焼却・廃棄されているのが現状です。特に問題なのは、ゴミの分別がほとんど行われていないことです。排出されるゴミの約80%が分別されておらず、せっかく分別された残りの20%のうち半分も、輸送過程で混ぜられてしまいます。この状況は、リサイクル率の低さや不適切な処理につながっています。背景には、急速な経済成長と人口増加、都市化の進行があります。消費生活の拡大に伴いゴミの量が増加する一方で、処理インフラの整備が追いついていないのが現状です。
②深刻な海洋プラスチック汚染
インドネシアは世界第2位の海洋プラスチック汚染国として知られており、年間約187万トンものプラスチックごみを海に排出しています。この問題は、インドネシアの豊かな海洋生態系を脅かすだけでなく、観光業や漁業にも悪影響を及ぼしています。特に問題なのは、使い捨てプラスチック製品の大量消費です。例えば、インドネシアでは1人あたり年間約700枚のビニール袋を使用しているとされています。また、プラスチック製品の多くが適切に回収されず、河川を通じて海に流出しています。この問題に対処するため、インドネシア政府は2040年までに海洋プラスチック汚染を70%削減する目標を掲げています。バリ島では2019年にプラスチック袋の使用を禁止する条例が施行されるなど、地方レベルでも対策が進められています。
③不十分な廃棄物管理インフラと意識改革の必要性
インドネシアでは、廃棄物管理インフラの不足が深刻な問題となっています。特に、ジャカルタ近郊のバンタル・ゲバン最終処分場は東南アジア最大のゴミ山として知られ、毎日1,000台以上のトラックが24時間体制でゴミを運び込んでいます。この状況は、不適切な廃棄物管理が引き起こす環境問題や健康被害のリスクを高めています。例えば、2005年にはジャカルタ近郊のゴミ山が崩壊し、140名以上の犠牲者を出す悲惨な事故が発生しました。一方で、廃棄物管理に対する意識改革も課題となっています。多くの国民がゴミの分別や適切な廃棄に対する意識が低く、路上や河川へのポイ捨ても珍しくありません。この問題に対処するため、政府や民間企業、NGOなどが連携して啓発活動や教育プログラムを実施しています。例えば、Waste4Changeのような社会起業家が、企業向けコンサルティングや住民向けトレーニング、独自の廃棄物回収システムの構築などに取り組んでいます。
以上です。それでは皆さん良い一日を。