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インドネシアとコンドーム

こんにちは。
今日のテーマは、インドネシアとコンドームについてです。  

インドネシアでは文化的な背景から、コンドームの使用に関して日本とは異なる考え方があります。今回はインドネシアとコンドームについて、以下にまとめました。

①低いコンドーム使用率
②商業的セックスワーカーとの使用率
③コンドームメーカーと市場動向


①低いコンドーム使用率
 インドネシアでは、コンドームの使用率が非常に低い状況が続いています。2018年の調査によると、避妊法全体の中でコンドームの使用率はわずか3.9%にとどまっています。これは、注射式避妊法(28.9%)や経口避妊薬(10.5%)などの女性主体の避妊法と比べて著しく低い数字です。この低使用率の背景には、文化的・宗教的要因があります。インドネシアでは、コンドームが未婚者や婚外関係と結びつけられる傾向があり、既婚カップルの間でも使用を躊躇する傾向があります。また、避妊は女性の責任であるという伝統的な考え方も、男性用コンドームの普及を妨げる要因となっています。政府機関のBKKBNは男性の避妊への参加を促進するキャンペーンを行っていますが、大きな変化には至っていません。特に、地方部や保守的な地域では、コンドーム使用に対する抵抗感が強く残っています。


②商業的セックスワーカーとの使用率
 商業的セックスワーカーとの性交渉におけるコンドーム使用率は、一般的な使用率と比較すると高いものの、十分とは言えない状況です。一部の調査では、商業的セックスワーカーとの性交渉におけるコンドーム使用率が約60%と報告されています。しかし、地域や状況によって大きな差があります。例えば、ジャカルタの一部の売春施設地区では、セックスワーカーの85%以上が前週のどの客に対してもコンドームを使用しなかったと報告されています。この背景には、警察がコンドーム所持を売春の証拠とみなす場合があるなど、法執行上の問題も存在します。また、定期的なパートナーとの性交渉では、コンドーム使用率が17%程度まで低下するという報告もあります。これは、親密な関係性においてコンドーム使用が軽視される傾向を示しています。


③コンドームメーカーと市場動向
 インドネシアのコンドーム市場は、国内メーカーと海外ブランドが競合しています。主要な国内メーカーとしては、Fiesta(フィエスタ)やSutra(スートラ)などがあります。海外ブランドでは、Durex(デュレックス)やOkamoto(オカモト)が知名度が高いです。市場規模は年々拡大傾向にあり、2020年から2025年にかけて年平均成長率7.5%で成長すると予測されています。この成長は、若年層の性に対する意識の変化や、HIV/AIDS予防キャンペーンの影響によるものと考えられます。価格帯は幅広く、国内ブランドの一般的な価格が4,000〜10,000ルピア(約30〜75円)程度であるのに対し、高級輸入ブランドは1個あたり20,000〜50,000ルピア(約150〜375円)程度で販売されています。政府系の保健所では無料でコンドームが配布されていますが、品質や種類の面で市販品に劣る場合があります。


以上です。それでは皆さん良い一日を。

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