プラボウォ政権の政策【インドネシア】
こんにちは。
今日のテーマは、プラボウォ政権の政策についてです。
プラボウォ政権の政策について、以下の5つにまとめました。
①経済成長の加速
②新首都建設の継続
③社会保障制度の拡充
④エネルギー政策の転換
⑤教育・人材育成の強化
①経済成長の加速
プラボウォ政権は「2045年までにインドネシアの先進国入り」を目標に掲げており、年間7%の経済成長率を目指しています。この目標達成のため、5年間で約1,000兆ルピア(約7.3兆円)規模のインフラ投資を計画しています。また、年間100億ドル以上の外国直接投資を誘致し、2029年までにデジタル経済規模を3,300兆ルピア(約24兆円)に拡大することを目標としています。これらの政策により、雇用創出と産業の高度化を図り、中所得国の罠からの脱却を目指しています。特に、デジタル経済の推進は、新たな産業の創出と既存産業の効率化を通じて、経済成長の新たな原動力となることが期待されています。
②新首都建設の継続
ジョコ・ウィドド前政権から引き継いだ新首都「ヌサンタラ」建設計画を継続し、加速させる方針です。2024年から2029年までに約466兆ルピア(約3.4兆円)の投資を行い、2029年までに約190万人の人口移転を目標としています。新首都は再生可能エネルギーを活用したスマートシティとして設計され、環境に配慮した持続可能な都市開発のモデルケースとなることが期待されています。この新首都建設により、ジャワ島への一極集中是正と地域間格差の解消を目指しており、インドネシアの地域開発戦略の中核を成すプロジェクトとなっています。
③社会保障制度の拡充
プラボウォ政権は低所得者層への支援強化を掲げ、包括的な社会保障制度の拡充を計画しています。約5,000万人の児童生徒を対象とした無償の学校給食プログラムの導入や、約2億7,000万人を対象とした基礎的な医療サービスの無償化を実施する予定です。さらに、約1,000万世帯に月額200万ルピア(約1.5万円)を支給する貧困層向け現金給付の拡大も計画しています。これらの政策により、2029年までに貧困率を現在の9.5%から5%以下に引き下げることを目標としており、社会的格差の是正と国民生活の質の向上を図っています。
④エネルギー政策の転換
気候変動対策と持続可能な発展を両立させるため、プラボウォ政権は大胆なエネルギー政策の転換を推進しています。再生可能エネルギーの比率を2030年までに現在の14%から34%に引き上げる計画を立てており、太陽光発電や地熱発電などの開発に重点的に投資を行っています。また、2030年までに新車販売の30%を電気自動車にするなど、運輸部門の脱炭素化も積極的に進めています。さらに、2040年までにすべての石炭火力発電所を閉鎖する計画を立てており、これらの政策により2060年までのカーボンニュートラル達成を目指しています。
⑤教育・人材育成の強化
プラボウォ政権は経済成長を支える人材育成のため、教育分野に重点的に投資する方針を打ち出しています。高等教育への投資をGDP比3%から5%へ引き上げ、大学の研究開発能力の強化を図っています。また、2029年までに100万人のデジタル人材育成を目標に掲げ、プログラミングやデータサイエンスなどの分野で集中的な教育プログラムを展開しています。さらに、年間100万人の若者に職業訓練を提供するなど、実践的なスキル習得の機会を拡大しています。これらの政策により、労働生産性の向上と産業の高度化を図り、経済成長の基盤を強化することを目指しています。
以上です。それでは皆さん良い一日を。