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ジャカルタの不動産市場

こんにちは。
今日のテーマは、ジャカルタの不動産市場についてです。  

ジャカルタの不動産市場について、以下にまとめました。
①地域による価格差の大きさ
②コンドミニアム市場の成長と供給過多の懸念
③賃貸市場の活況と価格上昇



①地域による価格差の大きさ
 ジャカルタの不動産価格は、地域によって大きな差があります。特に、中央ビジネス地区(CBD)と郊外エリアでは顕著な価格差が見られます。例えば、CBDエリアのコンドミニアムの平均価格は1平方メートルあたり約5,000万ルピア(約45万円)に達することがあります。一方、郊外エリアでは同じ1平方メートルあたり約2,500万ルピア(約22.5万円)程度で取引されることがあり、価格差は2倍以上になることもあります。この価格差の背景には、CBDエリアの限られた土地供給と高い需要があります。多国籍企業のオフィスや高級商業施設が集中するCBDエリアでは、利便性の高さから不動産需要が常に高く、価格を押し上げる要因となっています。


②コンドミニアム市場の成長と供給過多の懸念
 ジャカルタのコンドミニアム市場は近年急速に成長しており、供給が需要を上回る傾向が見られます。2023年第3四半期時点で、グレーター・ジャカルタ(ジャカルタとその周辺地域)におけるコンドミニアムの累積供給戸数は約38万戸に達し、前年同期比で7.7%増加しました。しかし、販売率は必ずしも高くありません。既存のコンドミニアムの販売率は約93.8%ですが、建設中や計画段階のプレセール物件の予約率は約59.4%にとどまっています。これは、約4.2万戸の未販売在庫が今後市場に出回る可能性を示しています。この状況の背景には、デベロッパーの過剰な供給計画と、経済成長の鈍化による需要の伸び悩みがあります。一部のプロジェクトでは、需要の低迷を受けて土地付き住宅など他の開発形態に変更されるケースも出ています。


③賃貸市場の活況と価格上昇
 ジャカルタの賃貸市場、特に賃貸アパートメント市場は活況を呈しており、賃料の上昇傾向が見られます。2023年第3四半期の賃貸アパートメントの平均賃料は、1平方メートルあたり約170,370ルピア(約1,576円)となり、前年同期比で8.7%上昇しました。この賃料上昇の背景には、外国人駐在員の増加や若年層の単身世帯の増加があります。また、住宅購入に比べて初期投資が少なく柔軟性の高い賃貸住宅への需要が高まっていることも要因の一つです。ただし、賃貸市場の競争も激しくなっており、多くの賃貸アパートメントでは、交渉次第で賃料の割引が可能な状況にあります。これは、新規供給の増加によって、オーナー側が良質なテナントを確保するために柔軟な対応を迫られていることを示しています。

以上です。それでは皆さん良い一日を。

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