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拝啓 木村和様

初めてお便りします。
小学生の時に「愛は勝つ」を聞いて心を捕まれ、その後もあなたの作る楽曲に魅了され続けて今日に至ります。KANさんは昨年還暦をめでたく迎えられましたが、気がつけば自分もガラスの40代の仲間入りをし、ただただ時の流れの早さに驚かされるばかりです。

最後にKANさんの姿を見たのは、昨年10月に行われたBAND LIVE TOUR2022【25歳】のステージの上でした。ようやく再開された念願のライブでは、聞き慣れた心地よいメロディを軽快に歌いながら、いつものようにニセピ(※偽物のグランドピアノ)の上でスモークを浴びていましたね。おなじみの光景と洒落っ気たっぷりのMCも心地よく、早くコロナが収まってもっとステージを見に来たいと感じたものです。

今年3月に公式サイトにて「洒落にならないご報告」と題して、病気治療と活動休止のお知らせを聞いた時、ふと「めずらしい人生」の歌詞の一部が頭によぎりました。

すばらしい人生 今うたをうたってる
そして多くの人々が泣き笑う
めずらしい人生 そんな多くの人を
裏切らないとぼくの明日はないのも知っている

めずらしい人生(1992)

これまで長い間そういう気持ちで活動を続けてきて、少し体に無理がきちゃったのかなと。それでもいつかまた元気になって帰ってくる姿も勝手にイメージしていたので、いつものようにSNSの更新をチェックし、仕事ぶりや食事におやつの写真、パリ旅行の様子などを見守っておりました。

11月12日、あなたは天に召されました。ご家族は「お預かりしていた星の王子様が、自分の星に帰って行きました」とコメントされていた記事を読みました。(事実と異なっている情報だったらすみません)何かの手違いで、予定より早く帰ることになってしまったのかもしれませんね。急な予定にもかかわらず、最後まであなたらしく生き抜いたことは、ファンとして、とても誇らしく思います。これからもあなたが作ったたくさんの作品とユーモアを楽しみながら、生きていきたいと思います。

春の日には桜が咲くように
ぼくたちも変わらずに笑ってるかな?
50年後も今日みたいに

50年後も(1999)

謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

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