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得意なことって言いづらい。

得意なことを発表する機会があった。
得意なこと…
難しい。
苦手なことは沢山ある。
ありすぎて持ち時間では語れないほどだ。
そもそも「得意なこと」という聞き方が良くない。
何となく「他人よりも優れていること」と解釈してしまう。
そんなものはない。
いやあるけれども自信満々に言えることではない。
なんてテーマを提案するんだと思った。
気軽に話せるテーマのつもりだったようだが案の定皆押し黙ってしまった。
これは良くない。
無駄な沈黙。無駄な時間。
この状況を打破するために口火を切ることにした。

「得意なことって他人よりも優れていることじゃないですよね?あくまで自分が難なく出来ることのことですよね?」
ちょっとは発言しやすくなるだろうか。
テーマを提示してくれた人が食い気味で返答した。

「そういうこと!」

彼も自分の犯した過ちに気付いていた。
というより沈黙が辛かったのだろう。
それから皆が得意なことを発表していった。
裁縫が得意(素晴らしい)
手先が器用(もはや才能)
長距離走が得意(体力抜群)
演劇が得意(ちょっとわからない)
道に迷わないこと(何となくわかる)

なるほど。
皆の得意なことがわかって良い時間だった。
僕は道に迷わない以外全部苦手なことだった。
他のことは皆に頼ることにしよう。

ちなみに僕の得意なこと。
アスレチック。
そんなにやったことはないけれど。
得意と判断できる材料は無いけれど。
身軽な方なのでそこそこ出来る自信がある。
アスレチックをする場面があれば僕を頼ってもらってもいいですよ。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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