羽田事故(本質は人為的ミスではない)
私は前から、羽田空港で、ラッシュ時の電車並みとも思える間隔で、飛行機が離発着することに感嘆していた。
ただ、今回の事故から、このコントロールは、かなりの部分を「人」に依存しているらしいことを知った。色々な安全機構はあると思うが、コントロールのメインとしては管制官とパイロットの音声によるコミュニケーションを軸としているようだ。
製造業の品質管理業務に携わった知見を以下に書く。安全設計の前提は「人間の『不注意』を完全に防ぐことは不可能」だ。よって、「不注意があっても事故に至らないシステム・仕組み」(業界用語でポカヨケ)を作ることがが肝心だ。(例、電車のホームドア。)
この意味から、今回の事故の本質は、「人為的ミス」ではなく、安全設計の隙・盲点といった、システムの問題と捉えるべきだと考える。また、これ故、機長、管制官といった個人に責任が帰せられることを危惧する。
なお、ヒューマンエラーはあくまで表面的なものであり、その背後に安全性に関わる問題があるのが通例だ。(例、長時間労働による疲労。)この意味で、(あくまで素人考えだが)羽田の「過密」とも思える運用に、そもそも無理がなかったのかとも思う。
いずれにせよ、真因を掘り下げ、それを踏まえた効果的な対策が取られることを望む。
飛行機の一般乗客もある意味羽田空港の利害関係者であり、その意味から、素人でも納得できる原因調査と安心できる再発防止策を望みたい。